ユリス(一般名:ドチヌラド)は、腎近位尿細管での尿酸再吸収トランスポーターURAT1を選択的に阻害し、尿中への尿酸排泄を増やして血清尿酸値を下げる「尿酸排泄促進薬」です。
一方、フェブリク(一般名:フェブキソスタット)は「非プリン型選択的キサンチンオキシダーゼ阻害剤」に分類され、尿酸の産生側(生成)を抑える「尿酸生成抑制薬」です。
この違いは、単なる“薬理の説明”に留まらず、患者背景ごとに「どのリスクを増やし、どのリスクを減らすか」を変えます。例えば、排泄促進型の薬は“尿中の尿酸負荷”を上げやすく、生成抑制型は“尿中尿酸を増やさない”方向に働きやすい、という直感は臨床の安全設計に直結します。
参考)https://med.mochida.co.jp/etc/urece/pdf/urc_rmp_202103.pdf
またユリスは、尿酸再吸収経路への選択性が高い(分泌経路の阻害が少ない)という解説もあり、従来の尿酸排泄促進薬で問題になりがちな相互作用・腎負担の論点を意識して設計された薬剤という位置づけで語られることがあります。
参考)薬剤師就職サポートサイト メディキャリNavi
ただし、ここで重要なのは「作用機序の“良し悪し”」ではなく「患者の病態(腎機能、結石、心血管、併用薬)に対して、どちらが“設計しやすい”か」です。以降は、その設計図を具体化します。
ユリスの効能・効果は「痛風、高尿酸血症」で、用法・用量は“ドチヌラドとして1日0.5mgより開始し、1日1回経口投与、尿酸値を見ながら徐々に増量”という漸増設計が明記されています。
この「0.5mgスタート→漸増」の思想は、尿酸値を一気に落とすこと自体が痛風発作の誘因になり得る点や、尿中尿酸負荷が増える薬理を踏まえた安全運用(後述の結石・尿アルカリ化も含む)と整合します。
フェブリクは同じく高尿酸血症治療薬ですが、生成抑制薬側として位置づけられます。
参考)https://medical.teijin-pharma.co.jp/content/dam/teijin-medical-web/sites/documents/product/iyaku/fe_fet/fe_fet_if.pdf
実務では、腎機能低下例や結石合併例では尿酸生成抑制薬を使用する、というガイド(CKD診療ガイドライン系の記載)が臨床判断の“初期設定”に使われやすいです。
参考)https://jsn.or.jp/data/gl2024_ckd_ch05.pdf
つまり、最初の分岐は「尿酸値の高さ」だけでなく、①腎機能、②結石、③心血管、④併用薬、⑤病型(産生過剰/排泄低下)で決めた方が破綻しにくい、ということです。
ユリスは薬理上「尿中尿酸排泄量の増大」により尿路結石の症状を悪化させるおそれがある、と注意喚起されています。
さらに、ユリスのRMP(医薬品リスク管理計画)では、国内第III相試験(長期投与試験)で尿路結石関連の副作用として「腎結石」1.5%(5/330例)、「腎石灰沈着症」0.6%(2/330例)が挙げられており、尿酸排泄促進薬として“結石をどう防ぐか”が安全性の中心テーマであることが読み取れます。
フェブリク(フェブキソスタット)については、海外試験の結果を踏まえた心血管死に関する注意喚起を含む安全対策が厚労省資料で整理されており、2019年に注意喚起を記載する添付文書改訂が指示された経緯が示されています。
参考)https://www.mhlw.go.jp/content/11120000/000542415.pdf
また、PMDA資料でも「アロプリノール群に比較してフェブキソスタット群で心血管死の発現割合が高かったとの報告がある」ため、投与時は心血管疾患の増悪・新規発現に注意する旨が明記されています。
参考)https://www.pmda.go.jp/files/000230408.pdf
ここが“違い”の臨床的コアです。
加えて意外に見落とされがちなのは、「結石は既往だけでなく、潜在的な石灰化・髄質石灰化」など“無症候の背景”があり得る点です。
参考)https://kounyousan.jp/discussion/002.html
座談会形式の資料ですが、CKDステージ3・4の一部でエコーで髄質の石灰化が一定割合で見られるという話題もあり、排泄促進薬を選ぶときは「結石の既往がない=石がない」と単純化しない方が安全側です。
実務での相互作用は、薬理(生成抑制か排泄促進か)に加えて、代謝経路・トランスポーター関与で“地味に差”が出ます。ユリスについては、従来薬で問題になりやすい分泌経路(ABCG2、OAT1、OAT3)を阻害しない、CYPへの関与も弱い、といった解説があり、併用設計の自由度が語られることがあります。
ただし、この種の「相互作用が少ない」は“ゼロ”ではなく、“避けたい相互作用の方向性が違う”と捉えるのが安全です(例:利尿薬、腎機能、脱水、尿pHなど周辺条件でリスクが動く)。
切替や併用については、臨床現場の工夫が記事化されており、ユリスは0.5mgから開始し段階的に増量すること、フェブリク高用量だからといってユリスも高用量で開始しない、といった注意が共有されています。
参考)https://www.phamnote.com/2021/06/blog-post.html
また同資料では力価換算の目安として「ユリス2mg ≒ フェブリク40mg」などの“目安”も記載されていますが、エビデンスの強さには限界がある旨も同時に触れられており、あくまで現場での初期設計の参考値として扱うのが妥当です。
併用を検討する典型シナリオは「単剤で目標尿酸値に届かない」「副作用・禁忌で増量が難しい」です。ユリスとフェブリクは作用点が異なるため、理屈の上では併用で“下げ幅”を作りやすい一方、尿路結石リスク(ユリス側)や心血管背景(フェブリク側)の監視項目が増えるため、患者教育とモニタリング設計がセットになります。
検索上位の説明は「ユリス=排泄、フェブリク=生成」で止まりがちですが、実務では“尿pHと尿酸プール(体内の尿酸総量)”をどう設計するかが、薬剤選択の納得感を上げます。
ユリスは尿中尿酸を増やすため、尿酸結石の形成を抑える方向(尿アルカリ化や生活指導)が重要とRMP内でも言語化されています。
一方で、座談会資料では「ドチヌラド(ユリス)は添付文書上、尿路結石を伴う患者が必ずしも禁忌になっていない背景」に、尿酸プールが下がることで尿路結石の懸念を軽減する可能性、という議論も紹介されています。
ここは“意外性”があるポイントで、排泄促進薬=結石リスク一辺倒ではなく、尿酸の総量(プール)を下げることが長期的にはリスクの見え方を変える、という視点が加わります。
ただし、この議論は「だから結石でも安全」という単純な結論ではなく、短期(尿中負荷↑)と長期(尿酸プール↓)の時間軸が混ざりやすい点が注意点です。
医療従事者としては、以下を患者説明と運用プロトコルに落とし込むと、ユリスの選択が“ブレにくく”なります。
参考:フェブキソスタットの心血管リスクに関する安全対策の背景(添付文書改訂の経緯)
https://www.mhlw.go.jp/content/11120000/000542415.pdf
参考:ユリスの尿路結石リスク(RMPにおける頻度・注意喚起の考え方)
https://med.mochida.co.jp/etc/urece/pdf/urc_rmp_202103.pdf
参考:CKDにおける高尿酸血症治療の基本方針(腎障害・結石では尿酸生成抑制薬を使用)
https://jsn.or.jp/data/gl2024_ckd_ch05.pdf

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