あなたの病棟のDVT予防、じつは年間数百万円単位で医療費を無駄にしているかもしれません。
DVT予防ガイドラインの骨格は、リスク評価とそれに応じた分層的な介入です。 jsth(http://www.jsth.org/wordpress/438-2/)
日本血栓止血学会の予防ガイドラインでは、疾患や手術のリスクレベルを「低リスク・中リスク・高リスク・最高リスク」の4段階に分類し、それぞれに推奨される予防法を明示しています。 jsth(https://www.jsth.org/wordpress/438-2/)
たとえば産科領域では、正常分娩は低リスクで「早期離床と積極的運動」のみ、帝王切開(高リスク以外)は中リスクで「弾性ストッキングまたは間欠的空気圧迫法」、高齢肥満妊婦の帝王切開は高リスクとして「IPCまたは低用量未分画ヘパリン」が推奨されています。 jsth(https://www.jsth.org/wordpress/438-2/)
このように、DVT予防は「全例に何かする」のではなく、リスクに応じた介入強度の調整が原則となっています。 jsth.medical-words(https://jsth.medical-words.jp/words/word-338/)
つまりリスク層別が原則です。
MSDマニュアルでは、低リスク患者(危険因子なしの小手術など)は「早期歩行のみ」でDVT/PEリスクは2%未満とされ、薬物予防は不要と明記されています。 msdmanuals(https://www.msdmanuals.com/ja-jp/professional/04-%E5%BF%83%E8%A1%80%E7%AE%A1%E7%96%BE%E6%82%A3/%E6%9C%AB%E6%A2%A2%E9%9D%99%E8%84%88%E7%96%BE%E6%82%A3/%E6%B7%B1%E9%83%A8%E9%9D%99%E8%84%88%E8%A1%80%E6%A0%93%E7%97%87-dvt-%E3%81%AE%E4%BA%88%E9%98%B2)
一方、超高リスク患者ではDVTリスク40~80%、致死的PEリスク0.2~5%とされ、LMWHやDOAC、IPC併用など積極的な予防が求められます。 msdmanuals(https://www.msdmanuals.com/ja-jp/professional/04-%E5%BF%83%E8%A1%80%E7%AE%A1%E7%96%BE%E6%82%A3/%E6%9C%AB%E6%A2%A2%E9%9D%99%E8%84%88%E7%96%BE%E6%82%A3/%E6%B7%B1%E9%83%A8%E9%9D%99%E8%84%88%E8%A1%80%E6%A0%93%E7%97%87-dvt-%E3%81%AE%E4%BA%88%E9%98%B2)
結論は、リスク層別を外した「とりあえず全員ヘパリン」は過剰介入にもなり得るということです。
リスク評価ツールとしては、内科患者ではPaduaスコアがよく用いられ、4点未満なら予防不要とする実臨床の運用も紹介されています。 kinpodo-pub.co(https://www.kinpodo-pub.co.jp/serials/hospitalist-skill/hs14/)
この「4点未満は予防不要」という線引きは、不要な抗凝固療法を減らし出血イベントと医療費の抑制につながる点で重要です。 kinpodo-pub.co(https://www.kinpodo-pub.co.jp/serials/hospitalist-skill/hs14/)
外科・整形外科領域ではCapriniスコアを用いた院内プロトコールを採用している施設も多く、スコア区分ごとに弾性ストッキングのみ、LMWH併用、長期予防などを定めています。 tokyo-mc.hosp.go(https://tokyo-mc.hosp.go.jp/wp-content/uploads/2022/11/000153708_22.pdf)
つまりスコアリングだけ覚えておけばOKです。
多くの医療者は「DVT予防はやりすぎるくらいでちょうどいい」と感じがちですが、ガイドラインは必ずしもそうは言っていません。 kinpodo-pub.co(https://www.kinpodo-pub.co.jp/serials/hospitalist-skill/hs14/)
MSDマニュアルでは、危険因子のない小手術患者や短時間の安静しか要さない症例では「早期歩行を促すのみで薬物療法は不要」と明記され、DVTリスクは約2%、致死的PEは0.002%とされています。 msdmanuals(https://www.msdmanuals.com/ja-jp/professional/04-%E5%BF%83%E8%A1%80%E7%AE%A1%E7%96%BE%E6%82%A3/%E6%9C%AB%E6%A2%A2%E9%9D%99%E8%84%88%E7%96%BE%E6%82%A3/%E6%B7%B1%E9%83%A8%E9%9D%99%E8%84%88%E8%A1%80%E6%A0%93%E7%97%87-dvt-%E3%81%AE%E4%BA%88%E9%98%B2)
Paduaスコア4点未満の内科入院患者についても、総合内科医向けの解説では「原則予防不要」とし、フットポンプや抗凝固薬の routine 使用による出血リスクとコスト増を問題視しています。 kinpodo-pub.co(https://www.kinpodo-pub.co.jp/serials/hospitalist-skill/hs14/)
ここでいうコストには、薬剤費だけでなく看護師の投与・モニタリング時間、弾性ストッキングの購入、医療関連合併症の対応などが含まれます。 cardinalhealth-info(https://cardinalhealth-info.jp/case_report/link-vol-24/)
つまり「全例何かする」は無駄が多いということですね。
具体的に考えてみると、1床あたり1日数百円の弾性ストッキングやフットポンプ使用が、リスク低い患者に10日間継続されれば、1入院あたり数千円単位の無駄になります。 cardinalhealth-info(https://cardinalhealth-info.jp/case_report/link-vol-24/)
これが年間100床規模の病棟で積み重なると、単純計算で数百万円規模の余計なコストになり得ます。
さらに、不要な抗凝固療法による出血合併症(皮下出血や消化管出血など)は、追加検査や輸血、入院延長を招き、医療安全上もインシデントの温床となります。 sotsugo(https://sotsugo.com/img/file65.pdf)
Link Vol.24では「ガイドライン逸脱による過剰予防」が医療安全とリスクマネジメントの観点からも見直し対象であると指摘されています。 cardinalhealth-info(https://cardinalhealth-info.jp/case_report/link-vol-24/)
過剰予防を減らすことが、そのまま医療安全の向上につながるということですね。
チェックボックスを「DVT予防:不要」と明記することで、無言の圧力として働いていた「何かしないといけない」という空気を弱める効果があります。
電子カルテのオーダーセットにPaduaスコアやCapriniスコア入力を組み込み、自動で「予防不要・理学的のみ・薬物併用」の推奨を表示するシステムも報告されています。 cardinalhealth-info(https://cardinalhealth-info.jp/case_report/link-vol-24/)
こうしたシステムを活用することで、若手医師の経験則に依存しないDVT予防が実現しやすくなります。
DVT予防のIT活用はこれからが本番です。
理学的予防は「害が少ないからとりあえず全員に」というイメージがありますが、ガイドラインはもっと細かく線引きしています。 jsth(http://www.jsth.org/wordpress/438-2/)
日本血栓止血学会の予防ガイドラインでは、低リスク症例に対しては「早期離床および積極的な運動」が推奨され、それ以上の介入は求められていません。 jsth(https://www.jsth.org/wordpress/438-2/)
中リスク症例では弾性ストッキングまたは間欠的空気圧迫法(IPC)、高リスク以上でIPCや低用量未分画ヘパリンの併用が推奨されています。 jsth(https://www.jsth.org/wordpress/438-2/)
弾性ストッキングが基本です。
また、早期離床の重要性は複数のガイドラインでIC推奨(最も強い推奨)として位置付けられています。 medicalfront(https://www.medicalfront.biz/html/06_books/01_guideline/06_page.html)
周術期管理に関する日本外科学会の論文では、術後早期からの下肢自動運動と早期離床がVTE予防の基本であり、弾性ストッキングやIPC、抗凝固療法はこれに追加する形で選択されると記載されています。 tokyo-mc.hosp.go(https://tokyo-mc.hosp.go.jp/wp-content/uploads/2022/11/000153708_22.pdf)
一方で、弾性ストッキングやIPCには皮膚トラブル、圧迫による疼痛、装着・脱着の手間など、現場では見過ごされがちなデメリットも存在します。 cardinalhealth-info(https://cardinalhealth-info.jp/case_report/link-vol-24/)
とくに高齢者や糖尿病患者では、長時間の不適切な圧迫により表皮剥離や潰瘍形成のリスクが増えることが報告されています。 cardinalhealth-info(https://cardinalhealth-info.jp/case_report/link-vol-24/)
圧迫療法にも期限があります。
2024年の静脈疾患における圧迫療法ガイドラインでは、弾性ストッキングのサイズ選定・圧レベル・装着時間の上限などが詳細に示されており、「1日中つけっぱなし」が必ずしも正解でないことが強調されています。 js-phlebology(https://js-phlebology.jp/wp/wp-content/uploads/2024/07/%E2%91%A0%E5%9C%A7%E8%BF%AB%E7%99%82%E6%B3%95%E3%82%AB%E3%82%99%E3%82%A4%E3%83%88%E3%82%99%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%8F%E3%82%9A%E3%83%95%E3%82%99%E3%82%B3%E3%83%A1%E5%8E%9F%E7%A8%BF.pdf)
たとえば、下肢静脈瘤や慢性静脈不全での圧迫療法では、原則日中のみの装着が推奨され、夜間装着はリスクとベネフィットを慎重に考慮するよう記載されています。 js-phlebology(https://js-phlebology.jp/wp/wp-content/uploads/2024/07/%E2%91%A0%E5%9C%A7%E8%BF%AB%E7%99%82%E6%B3%95%E3%82%AB%E3%82%99%E3%82%A4%E3%83%88%E3%82%99%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%8F%E3%82%9A%E3%83%95%E3%82%99%E3%82%B3%E3%83%A1%E5%8E%9F%E7%A8%BF.pdf)
同様の考え方を術後DVT予防にも応用し、「離床が十分進んだ時点で圧迫療法を中止する」という明確なタイミング設定が重要になります。 jsth(https://www.jsth.org/wordpress/438-2/)
現場では「いつ外していいか分からない」が中止タイミングを遅らせる大きな要因です。 cardinalhealth-info(https://cardinalhealth-info.jp/case_report/link-vol-24/)
つまり中止基準のプロトコール化が条件です。
皮膚トラブルや装着コンプライアンスの問題を減らすための工夫として、看護師主導での「装着チェックラウンド」や、患者向けリーフレットでのセルフチェック手順の提示が有効とされています。 mhlw.go(https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/0000057066.pdf)
厚生労働省の患者向け説明資料では、DVT/PE予防のための運動やストッキング着用の注意点がイラスト付きで解説されており、病棟でそのまま配布できる内容になっています。 mhlw.go(https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/0000057066.pdf)
具体的には、足首の曲げ伸ばしを1時間に10回以上、かかとの上下運動をこまめに行うことなどが推奨されています。 msdmanuals(https://www.msdmanuals.com/ja-jp/professional/04-%E5%BF%83%E8%A1%80%E7%AE%A1%E7%96%BE%E6%82%A3/%E6%9C%AB%E6%A2%A2%E9%9D%99%E8%84%88%E7%96%BE%E6%82%A3/%E6%B7%B1%E9%83%A8%E9%9D%99%E8%84%88%E8%A1%80%E6%A0%93%E7%97%87-dvt-%E3%81%AE%E4%BA%88%E9%98%B2)
こうしたシンプルな運動は、機器を使わずにできる「低コストの予防策」として、在宅や療養病床でも活用しやすいのが利点です。 medicalfront(https://www.medicalfront.biz/html/06_books/01_guideline/06_page.html)
これは使えそうです。
薬物的DVT予防の中心は未分画ヘパリンや低分子ヘパリンですが、「使わない方がよい場面」や「画一的に使えない場面」がガイドラインで意外と細かく示されています。 js-phlebology(https://js-phlebology.jp/wp/wp-content/uploads/2019/03/JCS2017_ito_h.pdf)
日本血栓止血学会の用語集では、低用量未分画ヘパリン(5000単位を8~12時間ごと皮下注)や用量調節未分画ヘパリンが予防に用いられますが、APTTを正常上限に設定し、出血リスクを常に評価しながら投与量を調整する必要があるとされています。 jsth.medical-words(https://jsth.medical-words.jp/words/word-338/)
JCS2017および2025改訂ガイドラインでは、周術期の抗凝固療法は「予防のベネフィットと出血リスクのバランス」で決定すべきと明言され、高出血リスク例ではIPCや早期離床のみで対応する選択肢が提示されています。 js-phlebology(https://js-phlebology.jp/wp/wp-content/uploads/2019/03/JCS2017_ito_h.pdf)
つまり「とりあえず未分画ヘパリン」は推奨されていないのです。 js-phlebology(https://js-phlebology.jp/wp/wp-content/uploads/2019/03/JCS2017_ito_h.pdf)
どういうことでしょうか?
最近のトピックとして、直接作用型経口抗凝固薬(DOAC)時代のVTE予防戦略があります。 sotsugo(https://sotsugo.com/img/file65.pdf)
DOACは整形外科領域の人工膝関節置換術・股関節置換術後の予防において、LMWHと同等以上の有効性と安全性が示されており、一定期間の術後投与が標準となりつつあります。 sotsugo(https://sotsugo.com/img/file65.pdf)
一方で、内科入院患者の一次予防や末梢型DVTに対しては、すべての症例でDOACを用いるわけではなく、出血リスクや予後、がんの有無などを総合的に判断することが求められます。 jmedj.co(https://www.jmedj.co.jp/blogs/product/product_22723)
「末梢型DVTには画一的な抗凝固療法は推奨されない」とする専門医の治療方針も紹介されており、症状が軽く出血リスクが高い症例では経過観察や理学的対策にとどめることもあります。 jmedj.co(https://www.jmedj.co.jp/blogs/product/product_22723)
末梢型DVTだけは例外です。
妊娠中のVTE予防も、読者の常識とギャップが大きい領域です。 jsth(http://www.jsth.org/wordpress/438-2/)
日本血栓止血学会の産科領域の記載では、静脈血栓塞栓症の既往や血栓性素因を有する妊婦に対して、妊娠初期から未分画ヘパリン5000単位を1日2回皮下注する予防的薬物療法が望ましいとされています。 jsth(http://www.jsth.org/wordpress/438-2/)
しかし、ワルファリンは催奇形性のため妊娠中は原則禁忌であり、分娩前後もヘパリンの中止・再開のタイミングを慎重に調整する必要があります。 jsth(http://www.jsth.org/wordpress/438-2/)
このように、ガイドラインは「DOAC全盛だから妊婦にも同じ」という短絡的な適用を明確に否定しており、対象ごとに薬剤選択が大きく異なります。 sotsugo(https://sotsugo.com/img/file65.pdf)
薬剤ごとの禁忌とエビデンスレベルを把握していないと、法的リスクにも直結します。 js-phlebology(https://js-phlebology.jp/wp/wp-content/uploads/2019/03/JCS2017_ito_h.pdf)
薬剤選択に注意すれば大丈夫です。
しかし、医療安全と医療経済の観点から重要なのは「やり始める基準」だけでなく「やめる基準」を明文化することです。 cardinalhealth-info(https://cardinalhealth-info.jp/case_report/link-vol-24/)
Link Vol.24では、2025年版ガイドラインを踏まえたVTE予防の見直しとして、「知らなかったでは済まされない」院内プロトコール整備の必要性が強調されています。 cardinalhealth-info(https://cardinalhealth-info.jp/case_report/link-vol-24/)
ここでは、医療安全担当者と各診療科が連携し、「いつ誰が予防開始・中止を判断するか」をフローチャート化する事例が紹介されています。 cardinalhealth-info(https://cardinalhealth-info.jp/case_report/link-vol-24/)
厳しいところですね。
たとえば術後DVT予防では、以下のようなステップが有用です。 tokyo-mc.hosp.go(https://tokyo-mc.hosp.go.jp/wp-content/uploads/2022/11/000153708_22.pdf)
このように「いつ評価するか」をカレンダーやパスに落とし込むことで、漫然とした予防の長期化を防げます。 tokyo-mc.hosp.go(https://tokyo-mc.hosp.go.jp/wp-content/uploads/2022/11/000153708_22.pdf)
評価タイミングの明記が基本です。
また、院内教育の場では「典型症例のロールプレイ」が有用です。 kinpodo-pub.co(https://www.kinpodo-pub.co.jp/serials/hospitalist-skill/hs14/)
たとえば、以下のような症例を用いて、スタッフと一緒にガイドラインに沿った意思決定を確認します。 msdmanuals(https://www.msdmanuals.com/ja-jp/professional/04-%E5%BF%83%E8%A1%80%E7%AE%A1%E7%96%BE%E6%82%A3/%E6%9C%AB%E6%A2%A2%E9%9D%99%E8%84%88%E7%96%BE%E6%82%A3/%E6%B7%B1%E9%83%A8%E9%9D%99%E8%84%88%E8%A1%80%E6%A0%93%E7%97%87-dvt-%E3%81%AE%E4%BA%88%E9%98%B2)
このような具体例を使うことで、スタッフの「体感的な常識」とガイドラインのギャップを可視化でき、チーム全体での共通理解が進みます。 kinpodo-pub.co(https://www.kinpodo-pub.co.jp/serials/hospitalist-skill/hs14/)
症例ベースの学習は有効です。
たとえば、抗凝固薬の予防投与には「終了予定日」を必須入力にし、延長する場合は理由を記載するルールを設けることで、漫然とした投与継続を抑制できます。 cardinalhealth-info(https://cardinalhealth-info.jp/case_report/link-vol-24/)
また、圧迫療法ガイドラインの要点(圧レベル、装着時間、禁忌)を1枚のフローチャートにまとめ、病棟に掲示しておくことも実践的です。 js-phlebology(https://js-phlebology.jp/wp/wp-content/uploads/2024/07/%E2%91%A0%E5%9C%A7%E8%BF%AB%E7%99%82%E6%B3%95%E3%82%AB%E3%82%99%E3%82%A4%E3%83%88%E3%82%99%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%8F%E3%82%9A%E3%83%95%E3%82%99%E3%82%B3%E3%83%A1%E5%8E%9F%E7%A8%BF.pdf)
リスク管理の観点からは、DVT予防に関する重大インシデントやヒヤリハットを定期的に振り返るカンファレンスを設けることも推奨されます。 cardinalhealth-info(https://cardinalhealth-info.jp/case_report/link-vol-24/)
DVT予防の運用はチーム全体の課題ということですね。
DVT予防ガイドラインは数年ごとにアップデートされるため、「一度勉強したら終わり」ではなく、継続的なキャッチアップが欠かせません。 j-circ.or(https://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/uploads/2025/03/JCS2025_Tamura.pdf)
2025年のJCS/JPCPHSガイドラインでは、肺血栓塞栓症・深部静脈血栓症・肺高血圧症を包括する形で診断・治療・予防が整理されており、日本人データやDOAC時代のエビデンスを反映した内容になっています。 j-circ.or(https://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/uploads/2025/03/JCS2025_Tamura.pdf)
日本血栓止血学会の予防ガイドラインも、日本人におけるVTE予防の理想的な推奨を目指し、産科・整形外科・一般外科など領域別に詳細なリスク分類と予防策を提示しています。 jsth(http://www.jsth.org/wordpress/438-2/)
つまり、国内ガイドラインを定期的に確認することが前提条件です。
実務的な情報源としては、以下のようなものがあります。 medicalfront(https://www.medicalfront.biz/html/06_books/01_guideline/06_page.html)
これらを組み合わせて学ぶことで、「エビデンス」「現場の工夫」「患者説明」の三点セットをバランスよくアップデートできます。 mhlw.go(https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/0000057066.pdf)
ガイドライン本文だけでは見えない現場知を拾うことが重要です。
今後の課題としては、高齢多疾患患者の増加に伴い、「フレイル・認知症患者のDVT予防」をどう最適化するかがあります。 msdmanuals(https://www.msdmanuals.com/ja-jp/professional/04-%E5%BF%83%E8%A1%80%E7%AE%A1%E7%96%BE%E6%82%A3/%E6%9C%AB%E6%A2%A2%E9%9D%99%E8%84%88%E7%96%BE%E6%82%A3/%E6%B7%B1%E9%83%A8%E9%9D%99%E8%84%88%E8%A1%80%E6%A0%93%E7%97%87-dvt-%E3%81%AE%E4%BA%88%E9%98%B2)
歩行器や車椅子を用いた離床支援、在宅・施設でのフットポンプ代替となる簡便な運動メニューの普及、在宅医療と急性期病棟の連携など、ガイドラインの文言だけではカバーしきれない課題が山積しています。 medicalfront(https://www.medicalfront.biz/html/06_books/01_guideline/06_page.html)
こうした領域では、今後の研究やレジストリデータの蓄積により、日本人に適した予防戦略がさらに洗練されていくと考えられます。 j-circ.or(https://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/uploads/2025/03/JCS2025_Tamura.pdf)
DVT予防は、人口構造の変化とともにアップデートされ続けるテーマです。
日本のVTE予防ガイドライン全文やリスク分類表の詳細を確認したい場合は、日本血栓止血学会の予防ガイドライン掲載ページが役立ちます。 jsth(https://www.jsth.org/wordpress/438-2/)
ガイドライン本文と表形式のリスク分類、産科領域の具体的な予防法などが網羅されています。
日本血栓止血学会 予防ガイドライン全文とリスク分類表
周術期DVT/PE予防の院内教育資料やスライドを参照したい場合には、東京都立病院機構などが公開している周術期予防スライドが実務的です。 tokyo-mc.hosp.go(https://tokyo-mc.hosp.go.jp/wp-content/uploads/2022/11/000153708_22.pdf)
術式別のリスク評価と予防方針、抗凝固療法の適応などが整理されています。
周術期のDVT/PE予防スライド資料
最後に、総合内科医の視点で「どこまで予防をやるか・やらないか」の線引きを学びたい場合には、Hospitalist SkillのDVT予防回が非常に参考になります。 kinpodo-pub.co(https://www.kinpodo-pub.co.jp/serials/hospitalist-skill/hs14/)
Paduaスコア4点未満の扱いや、早期離床重視のスタンスなど、日常診療に落とし込みやすい内容です。
第14回 DVT予防について(Hospitalist Skill)
今のあなたの現場では、「予防のやりすぎ」と「やり足りなさ」のどちらが問題になりやすいと感じますか?