副反応とワクチン接種後の症状や対処法について

ワクチンの副反応とはワクチン接種後に起こる健康上の問題のことで、軽いものから重篤なものまで様々です。副反応の種類や対処法、そして健康被害救済制度について詳しく解説します。どのような症状が起こりやすく、どう対応すればよいのでしょうか?

副反応について

副反応の基本情報
⚕️
副反応とは

ワクチン接種後に起こる健康上の問題全般

🏥
対処法

症状に応じた適切な医療対応と自宅ケア

🛡️
救済制度

重篤な健康被害に対する補償システム

副反応の定義と種類

副反応とは、ワクチン接種が原因で起こった健康上の問題のことを指します。これは医薬品における「副作用」と区別される用語で、ワクチンに対してのみ使用されます。
参考)https://minpapi.jp/side-effect-adverse-event-side-reaction/

 

副反応は症状の程度によって以下のように分類されます。

副反応は免疫反応が起きているためのものであり、ワクチンの効果を示す証拠でもあります。免疫細胞が病原体を見つけると、毛細血管を広げる物質を出し、血液が集まって患部が赤くなり腫れが生じます。
参考)https://biken.yawaraka-science.com/qa/detail/133

 

副反応の発生メカニズム

副反応が起こるメカニズムは、主に免疫系の反応によるものです。ワクチンは病原体から感染性をなくしたものや、病原体の一部分などを用いて作られており、体内で免疫反応を起こすことで免疫を獲得します。
副反応の発生には以下の要因が関係しています。

アナフィラキシーなどの重篤な副反応は、IgE抗体を介したI型アレルギー反応や、非IgE媒介性のマスト細胞活性化により起こります。これらの反応は接種後15分以内に現れることが多く、迅速な対応が必要です。
参考)https://www.mdpi.com/2076-393X/9/3/221/pdf

 

副反応の症状と対処法

副反応の症状は軽度なものから重篤なものまで幅広く存在します。最も一般的な症状は接種部位の局所反応で、赤み、腫れ、痛みが含まれます。
軽度の副反応への対処法

重篤な副反応(アナフィラキシー)の症状

  • 皮膚症状:蕁麻疹、血管性浮腫、顔面紅潮(90%の症例で出現)

    参考)https://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/12/dl/s1213-4h.pdf

     

  • 呼吸器症状:呼吸困難、喘鳴、喉頭浮腫(40-60%の症例で出現)
  • 循環器症状:めまい、失神、血圧低下(30-35%の症例で出現)
  • 消化器症状:嘔気、下痢、腹痛(25-30%の症例で出現)

アナフィラキシーは1-2分以内に急速に進行し、直ちに緊急治療を行わないと死に至る可能性があります。接種後30分間は医療機関での観察が重要です。

副反応報告制度と健康被害救済

日本では副反応に対する包括的な報告・救済システムが整備されています。副反応疑い報告制度は、予防接種法第12条に基づき、医師が定期接種等を受けた者に一定の症状が現れた場合に厚生労働省に報告する制度です。
参考)https://www.pmda.go.jp/safety/reports/hcp/prev-vacc-act/0003.html

 

副反応疑い報告制度の目的

  • 予防接種後に生じる身体的反応や副反応の情報収集
  • ワクチンの安全性管理・検討
  • 国民への情報提供と予防接種行政の推進

健康被害救済制度の概要
副反応による健康被害は極めて稀ですが、不可避的に生ずるものとして、接種に係る過失の有無にかかわらず迅速な救済が行われます。
参考)https://www.pref.osaka.lg.jp/o100030/kansenshoshien/covid-19vaccine/kennkouhigaikyuusai.html

 

救済給付の種類と対象。

申請は予防接種を受けた時の住民票所在地の市町村に行い、厚生労働大臣の認定を受けるため、第三者により構成される疾病・障害認定審査会で因果関係の審査が実施されます。

副反応への適切な対応と予防策

副反応への適切な対応は、接種前・接種直後・接種後の3つの時期に分けて考える必要があります。
接種前の準備

  • 体調が良好であることを確認し、発熱や体調不良時は接種を延期します
  • 過去のアレルギー歴やワクチン接種歴を医師に正確に伝えます
  • 服用中の薬剤や治療中の疾患について事前に相談します

接種直後の対応
接種後30分間は医療機関で待機し、お子さんから目を離さないよう注意します。アナフィラキシーなどの重篤な副反応の多くは接種後30分以内に現れるためです。
自宅での注意事項

  • 接種後1週間は体調変化に注意を払います
  • 高熱やけいれんなどの異常が出現した場合は速やかに医師の診察を受けます
  • 接種当日は激しい運動を避け、入浴は可能ですが接種部位をこすらないようにします

副反応の多くは一過性で軽度なものですが、適切な知識と対応により安全にワクチン接種を受けることができます。不安な症状がある場合は、遠慮なく医療機関に相談することが重要です。

 

厚生労働省の予防接種健康被害救済制度
予防接種による健康被害の救済制度について詳細な情報と申請手続きが記載されています。

 

PMDA予防接種法に関する報告制度
副反応疑い報告制度の詳細と医療従事者向けの報告手続きについて解説されています。