あなたは軽症判断で3割の患者を見逃します
頚椎椎間板ヘルニアの重症度は、大きく神経根症と脊髄症に分かれます。例えば神経根症ではC6障害で母指〜示指のしびれ、脊髄症では巧緻運動障害や歩行障害が特徴です。つまり分布が鍵です。
レベル分類は画像だけでなく、JOAスコア(満点17点)や握力低下、10秒テストなどで評価します。JOAが12点以下なら中等度、9点以下で重症とされることが多いです。結論は機能評価です。
MRIで突出があっても無症状は約20〜30%存在します。一方で軽度突出でも症状が強い例もあります。画像一致が原則です。
診療では「画像>症状」の思い込みが誤診を招きます。症状優先で判断することで不要な手術回避や適切な保存療法選択につながります。ここが重要です。
神経根症は片側上肢の痛みやしびれが主体で、デルマトームに一致します。例えばC7なら中指のしびれが典型です。つまり片側性です。
一方、脊髄症では両側症状や歩行障害、ボタンかけ困難などが出現します。進行すると排尿障害も見られます。ここは重いです。
臨床的にはJacksonテストやSpurlingテストが陽性なら神経根症を疑いますが、脊髄症ではHoffmann反射やBabinskiが参考になります。反射がヒントです。
見逃しやすいのは「軽い手のしびれのみ」の脊髄症初期です。早期発見で手術適応の判断が変わり、長期後遺症を防げます。ここが分岐です。
MRIで明らかな突出があっても症状がないケースは珍しくありません。報告では無症候性ヘルニアが約30%前後存在します。意外ですね。
逆に、軽度突出でも神経炎症が強いと激しい疼痛が出ます。これは圧迫だけでなくサイトカインが関与するためです。つまり炎症です。
このズレにより「画像重視診療」は過剰治療や見逃しの原因になります。症状と神経学的所見を優先するのが基本です。
画像と症状が一致しない場面では、神経伝導検査や筋電図を併用すると局在診断の精度が上がります。ここで補完です。
参考:頚椎症性脊髄症の診断とJOAスコアの解説
https://www.joa.or.jp/
保存療法は軽症〜中等度で第一選択です。具体的にはNSAIDs、神経障害性疼痛薬、頚椎カラー、理学療法などです。まず保存です。
改善目安は4〜6週間です。この期間で症状軽減がなければ次の選択を検討します。期間が重要です。
手術適応は進行する筋力低下、脊髄症、日常生活障害が強い場合です。JOA9点以下や歩行障害は明確なサインです。ここが境目です。
保存に固執すると不可逆的な神経障害が残るリスクがあります。適切なタイミングでの紹介が患者のQOLを守ります。判断が価値です。
見逃しやすいのは「デスクワーク患者の軽度しびれ」です。長時間PC作業者では頚部伸展位が続き、症状が慢性化します。よくある状況です。
もう一つは「肩こりとして処理されるケース」です。実際にはC5〜C6障害で三角筋の軽度筋力低下が隠れています。ここが盲点です。
さらに糖尿病患者では末梢神経障害と混同されることがあります。鑑別にはデルマトームと反射の評価が有効です。整理が必要です。
このリスクを避ける場面では、初診時に「握力測定」を行う→変化を数値で追う→簡易スクリーニングとして有効、という流れが実用的です。これなら実行しやすいです。