運動障害とは、人体の運動機能において何らかの永続的な障害が存在し、それが日常生活に不自由をもたらすほどの状態を指します。運動障害は大きく分けて「運動麻痺」と「運動失調」の2つに分類され、それぞれ症状やメカニズムが異なります。kango-roo+1
運動麻痺は、筋肉(骨格筋)あるいはそれに命令を送る大脳皮質や脊髄、末梢神経の障害により、自分の意思で筋肉を動かせなくなった状態をいいます。一方、運動失調は運動にかかわる筋肉の動きを調整する機能が失われ、スムーズな運動が障害された状態を指します。運動失調は小脳の障害によって引き起こされ、運動のコントロールや協調性に困難をきたします。nextsteps+1
運動障害には25の障害と18の下位分類があり、アカシジア、運動機能低下症、アテトーゼ、失調、脳性麻痺、舞踏運動、ジスキネジア、ジストニア、本態性振戦、ミオクローヌス、パーキンソン病、痙攣、振戦、発達性協調運動障害などが含まれます。損傷や機能不全の性質と発生部位に応じて、様々な運動障害が起こります。wikipedia+1
機能障害とは、身体の構造または生理的・心理的機能の喪失または異常のことです。国際障害分類(ICIDH)の後継として2001年に世界保健機関(WHO)によって採択されたICF(国際生活機能分類)では、機能障害は「心身機能・身体構造」のレベルで分類されています。dinf+1
ICFにおける「生活機能」は、人が生きていくことを指し、ご飯を食べたり運動をしたり、社会に参加したりする能力すべてを含みます。これに対し、ICFでは「生活機能」が何らかの理由で制限されている状況を「障害」としています。心身機能に障害がある場合に加え、「コミュニケーションをとることが困難」な状況や「仕事をすることができない」といった状況も、活動や参加に「障害」がある状況としてとらえられます。h-navi
機能障害分類は主要には身体、身体の一部または身体システムのレベルでの喪失や異常に関連しており、組織、細胞、細胞の部分または分子のレベルの問題は含みません。機能障害の焦点は身体のレベルであるため、多くの機能障害は症状や兆候によって定義されます。機能障害として記録する基準は、構造の場合でも機能の場合でも同じで、喪失または欠如、減少、付加または過剰、あるいは逸脱として定義されます。dinf
障害の種類は大きく分けて「身体障害」「知的障害」「精神障害」の3種類に分類されます。身体障害は、先天的もしくは後天的な理由で身体の機能の一部が不自由な状態を指し、視覚障害、聴覚または平衡機能の障害、音声機能・言語機能またはそしゃく機能の障害、肢体不自由、内部障害の5種類に分類されます。irodori-houkago
身体障害者福祉法における肢体不自由には、上肢障害、下肢障害、体幹機能障害、脳原性運動機能障害が含まれます。「指の機能障害」とは、中手指節関節以下の障害をいい、おや指については対抗運動障害も含むものとされています。運動障害は主に肢体不自由のカテゴリーに含まれ、欠損や機能障害の度合いによって等級が決まっており、上肢・下肢は1級から7級、体幹は1級から3級と5級に分類されています。fukushi.metro.tokyo+2
体幹の不自由をきたすのは、四肢体幹の麻痺、運動失調、変形等による運動機能障害です。このような症例における体幹の機能障害とは、四肢の機能障害を一応含むものとされています。運動障害は、運動麻痺や運動失調などの具体的な運動パターンの異常として現れる一方、機能障害はより広い概念として身体の構造や機能全般の喪失・異常を含んでいます。pref.aomori
運動麻痺と運動失調の違いを理解することは、適切なリハビリテーションを行う上で非常に重要です。運動麻痺は「力が入らず動かない」状態であり、運動失調は「力は入るが、動作がぎこちない・指示通りに身体が動かせない」状態です。運動失調は脳の小脳や脊髄、末梢神経の障害によって起こります。ameblo+1
運動麻痺は、自らの意思で筋肉を動かせない状態を指し、筋肉や大脳皮質・脊髄・末梢神経が障害を受けることが原因です。手足などの体の一部を自分の意のままに動かせない状態を運動障害もしくは麻痺と呼び、手足の動きが少し残っている場合を不全麻痺といいます。medicalconsulting+1
失調と麻痺は、ともに脳卒中後の後遺症として知られていますが、その症状と原因は大きく異なります。失調は小脳の障害によって引き起こされ、運動のコントロールや協調性に困難をきたす状態です。一方、麻痺は脳からの指令が正常に伝達されないことで、筋肉の働きが低下または消失する状態を指します。nextsteps
運動障害疾患は一般的に、運動の減少または遅延(運動減少症)と運動の亢進(運動過多症)の有無で分類されます。脳原性運動機能障害として程度等級を判定するのは、乳幼児期以前に発現した非進行性脳病変によってもたらされた姿勢及び運動の異常についてです。mhlw+1
運動障害の評価には様々な評価尺度が用いられます。ブルンストローム・ステージ(Brs)は、脳血管障害の運動麻痺に対する評価方法であり、上肢・手指・下肢それぞれをStageⅠ〜Ⅵの6段階で評価します。Brsは麻痺の程度を評価することで、治療に大きく役立ちます。麻痺の程度によって治療方法が異なるため、正しく評価することで、より良い治療方法を選択できるようになります。co-medical.mynavi
Fugl-Meyer運動量表(FMA)は、筋力や手指の分離状態、運動の速さや滑らかさをもって機能障害を定量化しますが、分離運動可能の対象者にとっては半定量的な巧緻運動障害の評価にあたります。FMAについては上肢評価のみの実施であれば10~15分程度で実施することができます。jstage.jst
運動失調の評価には、SARA(Scale for the Assessment and Rating of Ataxia)が有用な臨床ツールとして用いられ、運動失調の様々な側面を評価し、疾患の進行を追跡するために療法士が継続的に使用します。Trunk Impairment Scale(体幹機能障害評価)は、0から23までの範囲で静的および動的座位バランス、体幹の協調性、および体幹の運動の質を評価します。stroke-lab+1
一般的な身体機能検査である感覚検査、筋緊張検査、握力検査などとともに各種巧緻パフォーマンス検査の結果と合わせて、患者の巧緻運動障害がどのような機能障害のもとに成り立っているかを明らかにすることが重要です。リハビリテーション医療においては、採血検査のような簡便な方法はなく、時間と労力とコストをかけて機能評価を行わなければなりません。jstage.jst+1
失調と麻痺では、リハビリテーションのアプローチ方法が大きく異なります。失調の場合、リハビリでは手足の重さを感じることに重点を置き、上肢や下肢の協調性を整える運動を行います。また、体幹の安定性を高めるために、腹式呼吸などの基本的なトレーニングから始めることが大切です。nextsteps
麻痺のリハビリでは、麻痺していない側の手足の動きを意識しながら、両手・両足の動作練習を中心に行います。視覚情報を活用しながら、運動のイメージと実際の動作を結びつけるトレーニングが効果的とされています。患者の症状を正しく理解し、適切なリハビリテーションプログラムを提供することが、回復への第一歩となります。nextsteps
ICFの枠組みを用いた身体活動プログラムは、知的障害のある青年に対して効果的であることが示されています。ICFは心身機能・身体構造、活動、参加の包括的な生物心理社会モデルを提供し、障害のある個人の多面的なニーズを評価するために有用です。機能的神経学的運動障害に対する物理的リハビリテーションでは、運動、感覚、認知症状が器質的疾患によって説明されない症状を対象とします。mdpi+1
補装具の使用も重要なアプローチの一つです。下肢装具の対象となる障害は下肢機能障害(体幹機能障がい3級以上で歩行困難な者を含む)で、障害の状態が下肢に筋力低下や変形拘縮がある場合に処方されます。補装具処方の際には、義手と義足ではADL全般が良好であることが報告されています。jstage.jst+1
運動機能障害に対する3次元的動作分析を用いた治療評価も検討されており、客観的な評価方法の開発が進められています。神経系統の機能または精神の障害に関する障害等級認定基準では、運動性、支持性、巧緻性及び速度についての支障がほとんど認められない程度の軽微な麻痺を残すものが該当するとされています。また、運動障害は認められないものの、広範囲にわたる感覚障害がある場合も考慮されます。semanticscholar+1
筋力低下や可動域の減少は、高齢者における移動能力の低下を引き起こし、日常生活動作に関連する機能的制限を介して移動障害の原因となることが研究で示されています。このように、運動障害と機能障害の評価とアプローチには、包括的で多面的な視点が必要です。hindawi
厚生労働省「国際生活機能分類」の日本語版について
ICFの概念と分類方法の詳細が記載されており、機能障害の理解に役立ちます。
運動障害に関するQ&A - 看護roo!
運動障害の分類と症状、メカニズムについて看護師向けに詳しく解説されています。
機能性運動障害 – Functional Neurological Disorder (FND)
機能性運動障害の定義と症状について、患者向けに詳しく説明されています。
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