スルバシリン静注用は、1バイアル中にアンピシリンナトリウムとスルバクタムナトリウムを含む「β-ラクタマーゼ阻害剤配合抗生物質製剤」で、規格として0.75g(ABPC 0.5g+SBT 0.25g)、1.5g(ABPC 1g+SBT 0.5g)、3g(ABPC 2g+SBT 1g)が提示されています。
この数字が示す通り、配合比はABPC:SBT=2:1で設計されており、臨床現場で「ABPC/SBT」と略される配合の基本形です。
一方で「ユナシン」という名前は、静注のユナシン-S(ABPC/SBT)と、経口のユナシン(スルタミシリン)で意味が変わることがあるため、会話の中の“ユナシン”がどちらを指すかをまず固定するのが安全です(特に申し送り・口頭指示の場面)。
有効成分が「アンピシリンナトリウム・スルバクタムナトリウム」である注射薬の一覧には、ユナシン−Sキット(先発品)と、スルバシリン(ブランド違い)が同じ成分群として並列で掲載されています。
この一覧では、ユナシン−Sキット静注用(1.5g/3g)が「キット」で、スルバシリン(0.75g/1.5g/3g)が「バイアル」製剤として載っており、薬価形態も異なります。
つまり「同じ成分=同じ薬効」を期待できる場面が多い一方で、キット製剤は溶解液が同梱される等の運用差が出やすく、調製動線・在庫・請求(算定)・緊急投与時の取り回しが変わり得ます。
また、採用薬がユナシン-Sキット中心の施設で「スルバシリンへ切替」となると、名称が変わるだけでなく、現場の“見た目”や“手順”が変わるため、ヒューマンエラー対策(薬剤棚の配置、類似名称アラート、オーダリング表示)まで含めて同じ扱いにしない方が事故が減ります。
スルバシリン静注用の添付文書相当情報では、適応菌種として「ブドウ球菌属、肺炎球菌、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、大腸菌、プロテウス属、インフルエンザ菌」が挙げられ、適応症として「肺炎、肺膿瘍、膀胱炎、腹膜炎」が示されています。
用法・用量は、肺炎・肺膿瘍・腹膜炎で成人1日6g(力価)を2回分割、重症では上限として1回3gを1日4回(1日12g)まで増量可、膀胱炎では成人1日3gを2回分割、小児は1日60~150mg(力価)/kgを3~4回分割、と整理されています。
臨床実務では「同じ成分だから同じ投与設計」と考えがちですが、添付文書上は“疾患で用量が分かれている”ことが明確で、特に膀胱炎の位置づけ(1日3g)が混ざると投与量の勘違いが起きやすいので、オーダーセット側で疾患別に分岐させる設計が有効です。
さらに、耐性菌の発現等を防ぐ観点から「β-ラクタマーゼ産生菌、かつアンピシリン耐性菌を確認し、必要最小限の期間にとどめる」旨が記載されており、培養提出・デエスカレーションとセットで考えるのが添付文書の思想に沿います。
腎機能低下ではスルバクタム/アンピシリンともに半減期が延長し、腎機能(CLcr)がクリアランスの有意な変動因子で、投与間隔調整により同様のCmax/AUCを得られるようシミュレーション表まで提示されています。
この「間隔調整で曝露を揃える」という設計は、単に“減量する”よりも現場の運用に合うことがあり、腎機能患者の投与設計を検討する際の意外なヒントになります(病棟での投与タイミング調整と相性が良いケースがある)。
配合変化として、アンピシリンとアミノグリコシド系抗生物質を混合すると力価低下の報告があり、併用時は投与部位を変える・1時間以上の投与間隔をあける等の注意が明記されています。
また、糖質含有溶解液に溶解した場合にアンピシリンの力価が低下するため「溶解後は速やかに使用し保存しない」ことが強調されており、調製後の“とりあえず置き”が起きやすい部署では、手順書に具体的な時間管理(例:溶解後○分以内投与)を入れると再現性が上がります。
ナトリウム摂取制限患者への注意として、0.75g/1.5g/3g製剤に含まれるナトリウム量(それぞれ57.5mg、115mg、230mg)が明記されており、心不全・腎不全での総ナトリウム負荷評価に使える“見落としやすい数字”です。
現場で最も起きやすい落とし穴は、「ユナシン」という呼称が、注射のABPC/SBT(ユナシン-S等)と、経口のスルタミシリン(ユナシン錠)を横断して使われることです。
この混同は、オーダー入力前の口頭依頼や電話対応で特に起こりやすく、結果として“投与経路の取り違え”や“規格(gとmg、力価表記)”の認識ズレを誘発します。
対策としては、申し送りの言い方を「ABPC/SBT(静注)」のように一般名+剤形まで含めて標準化し、薬剤部・感染対策・看護で共通言語にするのが効果的です。
さらに、同一成分群の中でもキット製剤とバイアル製剤で調製手技が変わるため、「同じ薬だからどれでも同じ手順」と決め打ちしない文化づくり(例:投与直前に“剤形アイコン”を必ず確認する)を入れると、忙しい時間帯の安全性が上がります。
添付文書(成分・用法用量・腎機能時の投与間隔・配合変化・Na量まで確認できる)
https://pins.japic.or.jp/pdf/newPINS/00065456.pdf
同一成分(アンピシリン/スルバクタム)の製品一覧と薬価形態(キット/バイアルの違いが一目で分かる)
https://www.kegg.jp/medicus-bin/similar_product?kegg_drug=D02065

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