アスリートの1週間の食事メニューは、3食に加えて補食を含めた計画的な構成が重要です。高校生以上のアスリートは1日に3000〜4000kcalの摂取が必要であり、朝食だけで1000kcal程度のエネルギーを確保する必要があります。食事の基本は主食・主菜・副菜・果物・乳製品の5つの栄養素を揃えた「栄養フルコース型」の構成です。1週間を通じて同じ食材ばかりに偏らないよう、多様な食品から栄養を摂取することが推奨されています。
参考)BONIQ(ボニーク)公式低温調理レシピサイト
トレーニング日と休養日で食事内容を調整し、運動量に応じたエネルギー補給を行うことが大切です。朝食は体を目覚めさせ、集中力を高めるために必須であり、昼食は午後のトレーニングのエネルギー源、夕食は朝昼で不足した栄養素を補う役割を担います。1週間の献立を事前に計画することで、買い物リストを作成でき、効率的に栄養管理が可能になります。
参考)「勝ち飯®」目的別栄養バランスごはん
計画的な食事管理により、パフォーマンスの向上だけでなく、疲労回復や怪我の予防にも効果を発揮します。BONIQなどの調理器具を活用した作り置きや同時調理を取り入れることで、忙しい日常でも実践しやすくなります。食事は単なるエネルギー補給ではなく、アスリートの競技力を左右する重要な要素です。
参考)https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC10848936/
アスリートの朝食は、主食だけでなく5つの栄養素を揃えたメニューが理想的です。ご飯やパンなどの主食から糖質を摂取し、納豆・卵・焼き魚などの主菜からタンパク質を確保します。副菜として野菜サラダや青菜のお浸し、味噌汁、果物(バナナやリンゴなど)を組み合わせることで、ビタミンやミネラルを補給できます。
参考)https://www.asc-jp.com/diet/sportsfood/sportsfood-column07/
炭水化物はトレーニングのエネルギー源となるため、朝食で必ず摂取する必要があります。特に早朝トレーニングがある場合は、運動を始める3時間前には食事を済ませることが推奨されています。時間がない場合でも、最低限主食とタンパク質源だけは摂取する習慣をつけることが大切です。
参考)減量中のアスリートへ、食事の選び方と摂り方
パンよりもご飯の方が炭水化物をしっかりと摂取できるため、アスリートにはご飯が推奨されます。朝食を摂ることで体温が上昇し、体内時計がリセットされ、集中力アップや肥満予防にも効果があります。トップアスリートの朝食例として、フルーツ5種以上(バナナ、リンゴ、キウイフルーツ、イチゴ、ブルーベリー、パイナップル)とヨーグルトを組み合わせた栄養豊富なメニューが紹介されています。
参考)2.トップアスリートの食事「朝食」
昼食は食事後の活動で消費されるため、炭水化物を中心にしっかりとエネルギーを確保することが重要です。白米または玄米に、豆腐ハンバーグや魚料理などの主菜、青菜のお浸しなどの副菜、キノコの味噌汁、果物を組み合わせた栄養バランスの良い献立が理想的です。昼食が外食になりがちな人は、朝食で野菜や果物をしっかり摂取して栄養バランスを整える必要があります。
参考)アスリートの朝食のとり方とメニュー・レシピ例【管理栄養士監修…
夕食は炭水化物の摂取を控えめにし、朝食と昼食で不足していた栄養素を意識的に補います。魚介類から良質な脂質、海藻類からミネラルを摂取することで、1日の栄養バランスを整えます。夕食は就寝3時間前までに終わらせることが望ましく、消化の良いものを中心に選びます。
参考)アスリートが減量する際におすすめの食事メニュー3選|献立の考…
減量中のアスリートの夕食メニュー例として、けんちんうどん(麺は少なめで具だくさん)、とろろ、フルーツヨーグルトなどが推奨されています。夕食を食べすぎると就寝までの間に消費しきれず、減量の妨げとなるため注意が必要です。競技別では、パワー系種目は主食とタンパク質を多めに、持久系種目は主食に加えて水分やミネラル分を多めに摂取する工夫が必要です。
参考)アスリートの食事とは? ~アスリート食のポイントとレシピまで…
1週間の筋トレ飯献立では、月曜日から日曜日までの1日3食分の献立が具体的に構成されており、茶色で記載されているメニューが低温調理を活用したレシピです。月曜日の朝食は3品、昼食は4品、夕食は4品で構成され、1食あたりタンパク質源を2品以上組み合わせています。週始めから作り置きや同時調理を活用することで、忙しい日常でも実践しやすい献立になっています。
参考)BONIQ(ボニーク)公式低温調理レシピサイト
1日目はマグロアボカド丼、2日目はブロッコリーとあさりのスパゲッティ、3日目はささみとアボカドの照り焼き丼、4日目はブロッコリーグラタンとささみとほうれん草のナムル、5日目は冷凍あさりで作る炊き込みごはん、6日目は高タンパク質ネギトロ丼、7日目は冷凍あさりで作る簡単チャーハンという構成です。これらのメニューは包丁なしや冷凍食材を活用した簡単なレシピで構成されています。
参考)筋トレ飯、管理栄養士が考えた1週間レシピ!冷食で手軽に作ろう…
1週間の献立ポイントとして、①タンパク質源を1食2品組み合わせる、②鉄やカルシウムなどのミネラル、ビタミンB群が含まれるものを多く活用する、③腸内環境を整えるために味噌汁やスープをできるだけ摂取する、④筋肉をエネルギーにしないために糖質源(主食)は抜かない、⑤献立の食材通りにしなくても臨機応変に対応してストレスフリーに実践する、という5つが挙げられています。サーモンに含まれるアスタキサンチンは強い抗酸化力があり、高強度トレーニングをする方は積極的に摂りたい栄養素です。
スポーツ選手にとっての間食は、スナック菓子やチョコレート菓子などの嗜好品ではなく、3食ではカバーしきれないエネルギーや栄養素を補うための「補食」です。アスリートは「生命を維持するためのエネルギー」「日常の生活活動のためのエネルギー」に加えて「運動をするためのエネルギー」が必要であり、成長期のジュニア選手はさらに「成長のためのエネルギー」が必要となります。
参考)https://common3.pref.akita.lg.jp/aiss/science/r6column2.pdf
補食のタイミングは、朝食と昼食の間(朝練や寝坊等で朝食を十分にとれなかった場合)、トレーニング前(夕食前にトレーニングを行う場合)、トレーニング後の3つが重要です。トレーニング前には空腹状態を避けるため、消化が早い糖質と水分を中心に摂取します。トレーニング後30分間は「ゴールデンタイム」と呼ばれ、栄養が最も吸収されやすい時間であり、糖質とタンパク質を中心に補給することが推奨されています。
参考)アスリートがおすすめするタンパク質の多い食品を紹介します
補食におすすめの食品として、①エネルギー源となる炭水化物の多いもの(おにぎり、バナナ、カステラなど)、②食事で補いきれないビタミン・ミネラルの豊富なもの(果物、ヨーグルトなど)があり、運動の1〜2時間前または運動直後に摂取するのが理想的です。乳製品を選ぶ際は低脂肪・無脂肪を選ぶことが推奨されています。プロテインの活用も効果的ですが、その後の夕食が食べられなくなるほど食べ過ぎないよう注意が必要です。
参考)間食を上手く取り入れよう
アスリートの食事は、糖質・脂質・タンパク質の三大栄養素だけでなく、ビタミン・ミネラルも十分に摂取することが重要です。ビタミン・ミネラルは「三大栄養素が体の中でうまく働くため」「コンディションを維持するため」に必須な栄養素であり、これらが不足するとパフォーマンス向上に繋がりません。糖質・脂質を分解して効率よくエネルギーを産生するビタミンB群、運動によって体内に発生した活性酸素を消去する抗酸化作用をもつビタミン・ミネラルを意識的に摂取する必要があります。
参考)アスリート・運動をする人に不足しがちな栄養素|大塚製薬
筋肉量を増やす・肥大させるためには、タンパク質だけでなくビタミンB6が必要であり、酵素の材料にはマグネシウムが必要です。ビタミンは全13種類、ミネラルは16種類と種類が多いため、限られた食品ばかりを食べると同じ栄養素の種類しか摂れず、多くのビタミン・ミネラルを十分に摂取できません。ビタミンB12はほとんどが魚や肉などの動物性食品に含まれており、厳格な菜食主義のアスリートでは不足の可能性があります。
参考)身体づくりに不可欠なビタミン・ミネラルって?アスリートが意識…
トップアスリートが重要視する高タンパク食品として、納豆は植物性タンパク質に加えてカルシウム・鉄分などミネラルも含むため、タンパク質強化や貧血予防に重宝されます。納豆に含まれるビタミンKは骨の中のタンパク質を活性化し、新しい骨の形成を促す効果があります。全身へ十分な酸素を届けるために必要な血液をつくる鉄、強い骨作りに欠かせないカルシウム、マグネシウム、亜鉛、ビタミンDを日常の食事にプラスして、サプリメントなどから効率よく摂ることも1つの方法です。
2016年に発表されたアメリカスポーツ医学会(ACSM)のガイドラインでは、アスリートの1日における糖質必要量を運動強度別に定めています。低強度または基本的運動は3〜5g/kg/day、中強度運動(約1時間/日)は5〜7g/kg/day、持久的運動(1〜3時間/日)は6〜10g/kg/day、高強度運動(4〜5時間/日)は8〜12g/kg/dayが推奨されています。体重50kgの人が1日に1〜3時間の運動を実施する場合、300〜350g/日の糖質を摂取することが推奨されています。
参考)運動パフォーマンスを高める食事とは? 運動前の糖質摂取につい…
1日3000キロカロリー必要であれば、1800キロカロリーは糖質からとることになり、糖質は1グラム4キロカロリーなので450グラムの糖質が必要となります。すべての糖質をご飯から摂取する場合、茶碗約8杯分に相当します。朝食を抜くと、昼食と夕食の2食で合計4,000kcal、つまり4kgの食事量が必要になるため、3食に分けて摂取することが重要です。
参考)Vol.001 正しい食生活は、未来のトップアスリートを育て…
運動前の糖質摂取では、タイミングによって適切な食品が異なります。運動開始1〜2時間前には、運動中に消化不良となることを防ぐために、おにぎりやうどん、脂質の少ないパン、カステラ等を摂取することが推奨されています。2時間を超える運動では、1時間あたり60〜90gの炭水化物を摂取することで恩恵を受けることができます。タンパク質に関しては、アスリートは一般の人よりも多くの量を必要とし、1食あたり2品以上のタンパク質源を組み合わせることが推奨されています。
参考)アスリートが1時間に必要とする炭水化物の量は?
試合後のリカバリーには、適切な水分補給が欠かせません。試合中の大量の汗で失われた水分と電解質を補充することで、体の回復をスムーズに進めることができます。特にナトリウムやカリウムなどのミネラルを含む飲料を選ぶと、体内の水分バランスが早く整い、筋肉の疲労回復を助けます。運動後のリカバリーには、失った体重の1.25〜1.50倍の水分摂取が推奨されています。
参考)スポーツドリンク or OS-1?ジュニアアスリートに最適な…
OS-1のような経口補水液は、水分だけでなく電解質や糖分をバランスよく含んでおり、体内の水分を効率的に補給できます。OS-1は浸透圧が低いため、普通の水よりも早く体に吸収されやすく、この特性が試合後の疲労回復を助け、筋肉痛や脱水症状を予防するのに役立ちます。試合後30分以内にこれらの飲料を摂取し、回復を最大限にサポートすることが重要です。
リカバリーの栄養戦略として、運動後はタンパク質と糖質の同時摂取が好ましく、夕食が夜遅くなる際は補食でおにぎりなど糖質を前倒しで摂っておくことが望ましいです。ハードな運動で発生する活性酸素を除去するためには、抗酸化作用のあるビタミンやミネラルを意識的に摂取する必要があります。トレーニング後30分間の「ゴールデンタイム」には、消化吸収が早いプロテインの活用がおすすめです。電解質だけでなく、体内の水分量・バランスの十分な回復を図っていく必要があるため、ただ水分だけを補給するのではなく総合的なアプローチが求められます。
参考)リカバリーにおける水分補給|佐藤 康
鉄欠乏性貧血の予防と改善の基本は、食事で鉄を補うことです。通常でも体内の鉄は、汗や尿などによって毎日1mg程度失われますが、アスリートは体内の鉄需要が増加する一方、汗や消化管からの鉄の排出量が増えるため、意識して鉄分補給を心がけることが必要です。鉄には「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」の2種類があり、動物性食品のおよそ40%は吸収率の高いヘム鉄が含まれています。
参考)スポーツ選手の貧血と「食事」
貧血予防にはヘム鉄を多く含むレバー、牛赤身肉、カツオ、マグロ赤身などを積極的に食べるとよいでしょう。植物性食品のおよそ90%は吸収率の低い非ヘム鉄が含まれていますが、ビタミンCやクエン酸と一緒にとることで吸収率がアップします。赤血球を作る良質なタンパク質、鉄の吸収を助けるビタミンCなどの栄養素(果物・芋など)、ヘモグロビンの合成を助けるビタミンB群や葉酸(ゴマ・海苔など)も積極的に摂りましょう。
参考)スポーツ栄養情報(第2回 貧血予防のための食事)
貧血予防におすすめの食品として、かつお、まぐろ、あじ、いわし、さんま、さば、ぶりなどの赤身魚には鉄やタンパク質が多く含まれています。ぶりとれんこんの甘辛炒めのような献立は、貧血予防に効果的なメニュー例です。できるだけ多くの食品類から毎日三食こまめに継続して摂取することがポイントであり、1日に必要な鉄分を毎日食事だけから摂取するのはなかなか難しいため、鉄含有量を強化した乳製品や飲料を活用するのも良い方法です。
参考)【スポーツ選手のための食トレご飯】貧血予防メニュー
競技・目的別のアスリートの1日の食事メニュー例について、管理栄養士監修の詳細な情報が掲載されています
「勝ち飯®」では、競技・目的・タイミングで考える栄養バランスのとれた献立とレシピが紹介されており、トップアスリート支援の知見から体調管理や本番直前の献立が学べます
1週間筋トレ飯献立の買い物リストから前日仕込み、月曜日~日曜日までの1日3食分の献立が具体的に構成されており、BONIQを活用した作り置きや同時調理の実践例が参考になります