バイオ後続品一覧と診療報酬加算の活用法と注意点

バイオ後続品(バイオシミラー)の最新承認一覧と、2024年度に新設された使用体制加算の算定要件を解説。置き換え割合の計算方法や対象成分ごとの目標値まで、現場で役立つ情報をまとめました。医療費適正化に向けた取り組み、あなたの施設は対応できていますか?

バイオ後続品一覧と診療報酬の正しい使い方

先行品と「同等」と承認されていても、バイオ後続品には先行品にない適応症が取得できないケースが複数あります。


この記事の3ポイント
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バイオ後続品とは何か

先行バイオ医薬品の特許満了後に発売される薬。原則として先行品の70%の薬価が設定されており、現在国内で19成分が承認・上市されています。

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最新の承認一覧を確認

2026年1月時点でPMDA・日本バイオシミラー協議会が公開する一覧が最新情報。インスリン、抗体製剤、抗がん剤など幅広い領域をカバーしています。

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2024年度改定で新設の加算

「バイオ後続品使用体制加算(100点)」が新設。成分ごとの置き換え割合と使用回数100回超が施設基準の条件となっています。


バイオ後続品一覧:国内承認済みの19成分を把握する



2025年6月時点で国内に上市されているバイオ後続品は19成分です。 化学合成品のジェネリック医薬品と異なり、遺伝子組換え技術や細胞培養技術を用いて製造されるため、先行品との「同一性」ではなく「同等性・同質性」が求められます。 承認に際してはジェネリックよりも厳格な治験データが必要です。 jpmedri.co(https://www.jpmedri.co.jp/service/service_001/contents_005/)


以下の表が現時点での主要な承認成分の一覧です。 jpmedri.co(https://www.jpmedri.co.jp/service/service_001/contents_005/)


No. 成分名 主な効能・効果 初上市年
1 ソマトロピン 成長ホルモン分泌不全性低身長症 2009年
2 エポエチン アルファ 透析施行中の腎性貧血・未熟児貧血 2010年
3 フィルグラスチム 好中球減少症 2012年
4 インフリキシマブ 関節リウマチ 2014年
5 インスリン グラルギン 糖尿病 2014年
6 リツキシマブ B細胞性非ホジキンリンパ腫 2017年
7 エタネルセプト 関節リウマチ 2018年
8 トラスツズマブ 乳がん・胃がん 2018年
9 アガルシダーゼ ベータ ファブリー病 2018年
10 ベバシズマブ 結腸・直腸癌・非小細胞肺がん 2019年
11 ダルベポエチン アルファ 腎性貧血 2019年
12 テリパラチド 骨粗鬆症 2019年
13 インスリン リスプロ 糖尿病 2020年
14 アダリムマブ 関節リウマチ 2020年
15 インスリン アスパルト 糖尿病 2021年
16 ラニビズマブ 加齢黄斑変性 2021年
17 ペグフィルグラスチム がん化学療法による発熱性好中球減少症の発症抑制 2023年
18 ウステキヌマブ 尋常性乾癬・乾癬性関節炎 2023年
19 アフリベルセプト 糖尿病性黄斑浮腫 2024年


最新の一覧は日本バイオシミラー協議会やPMDAが随時更新しています。これが基本です。


以下のリンクでは、2026年1月時点の最新バイオシミラー承認一覧をPDF・Excel形式で確認できます(製品名・先行品名・承認日まで詳細に掲載)。


日本バイオシミラー協議会 | 日本で承認されているバイオシミラー一覧(2026年1月28日更新)


バイオ後続品一覧の見方:先行品との適応症の違いに注意する

バイオ後続品は先行バイオ医薬品の特許が満了し、再審査期間が終了した後に承認申請が可能になります。 そのため、先行品の一部の適応症が特許期間中または再審査中の場合には、バイオ後続品に効能・効果が一部取得できていないケースが生じます。 mink.nipponkayaku.co(https://mink.nipponkayaku.co.jp/medinfo/seido/2024/detail/detail_01.html)


具体的には「先行品は〇〇にも使えるが、後続品では未承認」という状態が起こり得ます。これは現場での処方切り替えに際して、見落とすと重大なリスクになり得ます。


適応症の違いを確認するには、PMDAの承認品目一覧が信頼性の高い情報源です。 添付文書とあわせて確認することが原則です。 pmda.go(https://www.pmda.go.jp/files/000278461.pdf)


以下のリンクでは、PMDAが公開する承認品目一覧(2025年12月時点)を確認できます。先行品・後続品ごとに承認日・効能・効果・品目名が整理されています。


PMDA | バイオ後続品(バイオシミラー)承認情報ページ


バイオ後続品の使用促進と置き換え率:2029年目標80%の現実

国は「2029年度末までにバイオ後続品に80%以上置き換わった成分数が全体の60%以上」となることを目標に掲げています。 2020年度時点での置き換え率は全体で29.5%(数量ベース)にとどまっており、目標との乖離は大きい状況です。 mink.nipponkayaku.co(https://mink.nipponkayaku.co.jp/medinfo/seido/2024/detail/detail_01.html)


置き換えが進むと、医療費削減効果は年間最大1,000億円超と推定されています。 東京ドームの建設費(約350億円)の約3倍に相当する規模です。意外ですね。 jpmedri.co(https://www.jpmedri.co.jp/service/service_001/contents_005/)


成分別に見ると置き換え率には大きなばらつきがあり、進んでいる成分とそうでない成分が混在しています。 一律に「バイオ後続品が普及している」とは言えないのが実情です。 jpmedri.co(https://www.jpmedri.co.jp/service/service_001/contents_005/)


以下のリンクでは、厚生労働省によるバイオシミラーをめぐる最近の話題(2025年12月時点)が閲覧できます。置き換え率のデータや政策動向を把握するのに役立ちます。


厚生労働省 | バイオ後続品(バイオシミラー)の理解を深め促進するwebサイト


バイオ後続品使用体制加算:2024年改定の新設点数と算定要件

2024年度診療報酬改定では、入院患者へのバイオ後続品使用を促進するため「バイオ後続品使用体制加算(100点)」が新設されました。 これは入院期間中に1回のみ、入院初日に算定できる加算です。 yakuyomi(https://yakuyomi.jp/career_skillup/skillup/02_140/)


算定には施設基準の届出が必要で、主な条件は以下のとおりです。 yakuyomi(https://yakuyomi.jp/career_skillup/skillup/02_140/)


  • 🏥 直近1年間で対象成分の使用回数が合計100回超であること
  • 📊 成分ごとに定められた置き換え割合(80%または50%)を達成していること
  • 📢 バイオ後続品の使用推進を院内の見やすい場所に掲示すること
  • 🌐 自施設のウェブサイトにも同内容を掲載すること(サイトがない場合は不要)


置き換え割合の目標値は成分によって異なります。これが条件です。


置き換え割合の目標 対象成分
80%以上 エポエチン、リツキシマブ、トラスツズマブ、テリパラチド
🔶 50%以上 ソマトロピン、インフリキシマブ、エタネルセプト、アガルシダーゼベータ、ベバシズマブ、インスリンリスプロ、インスリンアスパルト、アダリムマブ、ラニビズマブ


なお、直近1年間の規格単位数量合計が50未満の場合はその成分の計算から除外されます。 自施設の使用実績を把握した上で届出の可否を判断するのが最初のステップです。 yakuyomi(https://yakuyomi.jp/career_skillup/skillup/02_140/)


以下のリンクでは、バイオ後続品使用体制加算の施設基準・算定要件・計算方法を詳細に解説しています。届出準備に直接活用できる内容です。


ヤクヨミ | バイオ後続品使用体制加算とは?対象薬剤・施設基準・算定要件を解説


バイオ後続品一覧の独自視点:承認されても「使えない施設」が多い理由

バイオ後続品は承認件数こそ増えていますが、病院薬剤部での採用決定プロセスが後発医薬品よりも複雑です。 品質情報・安定供給体制・製造工程の透明性を薬剤部が独自に評価・収集し、採用可否を決定する体制の整備が施設基準として明示的に求められています。 つまり、一覧に掲載されている製品でも「院内未採用」のケースは珍しくありません。 yakuyomi(https://yakuyomi.jp/career_skillup/skillup/02_140/)


さらに、バイオ後続品はジェネリックとは違い「後発品変更不可」と同様の感覚で先行品に固定されている処方が多い現場も存在します。厳しいところですね。


患者側の意識も変わりつつあり、「できれば使用したい」「経済的負担が減るなら試したい」と考える患者の割合も増加しています。 医療者からの丁寧な説明が、置き換え推進の最大のカギになります。 mink.nipponkayaku.co(https://mink.nipponkayaku.co.jp/medinfo/seido/2024/detail/detail_01.html)


現場でバイオ後続品の情報を効率的に管理・共有するには、厚生労働省の「薬価基準収載品目リスト」の定期確認が有効です。新薬収載や薬価改定のたびにリストが更新されるため、最新版をブックマークしておくと確認の手間が省けます。 yakuyomi(https://yakuyomi.jp/career_skillup/skillup/02_140/)


以下のリンクでは、厚労省によるバイオシミラーをめぐる最新の政策的な話題を確認できます。採用体制の整備や患者説明の参考資料としても活用できます。


厚生労働省 | バイオシミラーをめぐる最近の話題(2026年1月)






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