ミリステープ(一般名:ニトログリセリン貼付剤)の効能・効果は「狭心症」「急性心不全(慢性心不全の急性増悪期を含む)」です。
一方で重要な注意として、「狭心症の発作緩解を目的とした治療には不適であり、その目的には速効性の硝酸・亜硝酸エステル系薬剤を使用する」と明記されています。
この一点は、救急外来・病棟・在宅のどの現場でも誤解が起きやすく、「貼ってあるのに胸痛が止まらない=薬が効かない」という短絡評価につながります。
実務上は「発作治療(レスキュー)ではなく、一定時間の血行動態を整える設計」であることを、患者・家族だけでなく多職種間でも共通理解にしておくのが安全です。
また、狭心症では国内試験で有効率59.4%(114/192例)、急性心不全では有効率45.4%(54/119例)が示された旨が記載されています。
参考)ミリステープ5mgの効能・副作用|ケアネット医療用医薬品検索
“全員に効く”薬ではないからこそ、貼付後の症状推移(胸部症状、呼吸困難、血圧、脈拍)を時間軸で追い、切替え(他剤・他治療)判断を早めにできる体制が必要です。
ニトログリセリンは細胞内で一酸化窒素(NO)に変換され、グアニル酸シクラーゼを介してcGMPを増加させ、結果として血管平滑筋を弛緩させる機序が説明されています。
低用量では静脈拡張が主体、高用量では静脈および動脈拡張も示す、とされています。
臨床の言葉に置き換えると、静脈側が拡張すれば静脈還流が減って前負荷が軽くなり、動脈側が拡張すれば後負荷が軽くなりやすい、という整理ができます(添付文書相当情報にも前負荷・後負荷の軽減が記載)。
前負荷・後負荷の話は“循環器っぽい理屈”で終わりがちですが、急性心不全の現場では「貼った後に血圧が落ちすぎないか」「呼吸困難がどう変わるか」「冷汗や意識レベルはどうか」を同じフレームで見直す入口になります。
貼付で過度の血圧低下が起こった場合は剥離し、下肢挙上や昇圧剤投与など適切な処置を行う、という対応も明確に書かれています。
通常の用法・用量は、成人で「1回1枚(ニトログリセリンとして5mg)を1日2回、12時間ごとに」、胸部・上腹部・背部・上腕部または大腿部に貼付し、症状により適宜増減とされています。
貼付時の注意として「皮膚刺激を避けるため毎日貼付部位を変える」「創傷面に使用しない」「足底部への貼付は避ける」といった適用上の注意が挙げられています。
さらに、心電図測定や電気除細動の妨げにならないよう貼付部位を考慮する、AEDの妨げにならないよう指導が望ましい、という“現場事故を減らす”注意も入っています。
貼付剤は「貼れている」つもりでも、汗・皮脂・体毛・体動で実は浮いていることがあり、薬理が効かない以前にデリバリーが成立していないケースがあります。
そのため、観察では貼付部位の端の浮き・しわ・剥がれをチェックし、貼付時は清潔で乾いた皮膚に貼る基本を徹底するほうが、結果的に“効果が不十分”という評価の誤差を減らせます。
副作用は、頭痛が5%以上(10.1%)、貼付部位の皮膚かゆみ・発赤が5%以上などが記載されています。
血圧低下、めまい、起立性低血圧など循環動態由来の症状も示されており、導入初期は転倒リスク評価(立位時ふらつき、夜間トイレ動線)とセットで運用するのが安全です。
狭心症に対して使用中の患者で急に中止すると症状悪化の報告があるため、休薬が必要なら他剤併用下で徐々に減量し、患者に自己判断中止をさせない注意が必要とされています。
禁忌の中でも特に致命的なのが、PDE5阻害薬(シルデナフィル、バルデナフィル、タダラフィル)投与中、およびリオシグアト投与中が「併用禁忌」とされている点です。
これは両者がcGMP系に作用し、併用で降圧作用が増強し得るため、投与前に服用の有無を十分確認し、投与中・投与後も服用しないよう注意する、と明記されています。
外来では問診で拾える一方、救急搬送や意識障害では拾いにくいため、薬剤情報提供書・お薬手帳・家族聴取・電子カルテの処方歴確認を、貼付開始前の“ルーチン動作”に組み込む価値があります。
貼付剤運用で見落とされがちなのは、薬効(血行動態)とは別に「皮膚障害がアドヒアランスを壊して、結果として効果を失わせる」という逆流です。
添付文書相当情報でも皮膚症状が起こることがあり、その場合は貼付部位変更やステロイド軟膏投与、必要なら投与中止など適切な処置を行う、とされています。
この“皮膚の不快”は患者にとっては優先度が高く、特に高齢者や認知機能低下があると「かゆいから剥がす」「別の場所に勝手に貼る」につながり、治療設計が崩れます。
そこで独自視点として、ミリステープの説明を「薬の説明」だけで終わらせず、最初から“皮膚の運用設計”をプロトコル化すると、継続率が上がりやすいです。
具体的には、次のように現場で標準化できます(病棟でも在宅でも共通言語にしやすいです)。
さらに“意外に効く”小技として、剥離の失敗(角質剥離でヒリヒリ→次から貼りたくない)を減らすのは重要です。
参考)https://www.3mcompany.jp/3M/ja_JP/personal-health-care-jp/solutions/remover/
粘着製品の剥離時の皮膚トラブル(発赤・水泡・かゆみ・痛み・浸軟、角質剥離など)を整理し、皮膚と粘着剤の隙間に染み込ませるように剥離剤を使いながら剥がす、という考え方が示されています。
ミリステープ自体の添付文書事項ではないものの、テープ剥離が痛い患者では、こうした“剥がし方の設計”が結果として貼付継続=治療継続に直結します。
皮膚の問題は薬理と別枠に見えますが、貼付剤では「皮膚=投与経路」そのものです。
だからこそ、効果が不十分なときは増量や他剤追加の前に、貼付部位・貼付手技・皮膚状態・剥離ストレスまで含めて再点検するのが、医療従事者としてのコスパが高いアプローチになります。
貼付剤の剥がし方・皮膚トラブル(角質剥離など)の参考。
https://www.3mcompany.jp/3M/ja_JP/personal-health-care-jp/solutions/remover/
ミリステープの効能・用法用量・禁忌・併用禁忌・副作用(医療者向け要約)の参考。
ミリステープ5mgの効能・副作用|ケアネット医療用医薬品検索
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