糖尿病の病名がなくても栄養指導加算は算定できます。 funaisoken.co(https://www.funaisoken.co.jp/solution/hospital_dietary-counseling-fee_709_S033)
外来栄養食事指導料とは、医師の指示に基づき管理栄養士が患者ごとに食事計画案を作成し、個別に指導を行った場合に算定できる診療報酬です。 入院中の患者には適用されない点が重要で、外来通院中の患者のみが対象になります。 credo-m.co(https://www.credo-m.co.jp/column/detail/hosyu/5278/)
指導料は「1」と「2」の2区分あります。 当該医療機関に直接雇用された管理栄養士が指導した場合は外来栄養食事指導料1、外部の管理栄養士(非常勤・委託など)が指導した場合は外来栄養食事指導料2として算定します。
算定点数は以下のとおりです。 clinicalsup(https://clinicalsup.jp/jpoc/shinryou.aspx?file=ika_2_1_1%2Fb001_9.html)
| 区分 | 方法 | 初回 | 2回目以降 |
|---|---|---|---|
| 外来栄養食事指導料1 | 対面 | 260点 | 200点 |
| 外来栄養食事指導料1 | ICT(オンライン等) | 235点 | 180点 |
| 外来栄養食事指導料2 | 対面 | 250点 | 190点 |
| 外来栄養食事指導料2 | ICT(オンライン等) | 225点 | 170点 |
指導時間は初回がおおむね30分以上、2回目以降がおおむね20分以上必要です。 2024年6月の診療報酬改定から、初回でも情報通信機器(ICT)を用いた指導が算定可能になりました。
算定回数は原則として月1回ですが、指導開始の初月のみ月2回まで算定できます。 さらに外来化学療法を実施している悪性腫瘍患者については、施設基準届出を行ったうえで月2回算定が可能です。
算定対象となる病名は非常に幅広く、糖尿病や腎臓病だけに限りません。 以下に主な対象と算定基準をまとめます。 funaisoken.co(https://www.funaisoken.co.jp/solution/hospital_dietary-counseling-fee_709_S033)
| 対象食種 | 主な病名・算定基準 |
|---|---|
| 糖尿病食 | 糖尿病の病名診断があれば算定可。糖尿病予備軍は不可 |
| 減塩食(高血圧) | 高血圧症の診断があれば算定可。塩分総量6g未満が条件 |
| 脂質異常症食 | LDL≧140mg/dL、HDL<40mg/dL、中性脂肪≧150mg/dLのいずれか |
| 腎臓病食 | 腎臓病の病名診断があれば算定可 |
| 心臓疾患の減塩食 | 心不全・心臓弁膜症の診断があれば算定可 |
| 痛風食 | 高尿酸血症(血清尿酸値7.0mg/dL超) |
| 低栄養 | GLIM基準で低栄養と判定、または医師が低栄養改善を必要と判断 |
| がん患者 | がんの病名診断があれば算定可。良性腫瘍・ポリープは不可 |
| 摂食・嚥下機能低下 | 医師が嚥下調整食を要すると判断した場合 |
| 貧血食 | ヘモグロビン10g/dL以下かつ鉄欠乏が原因の場合のみ |
| 低残渣食 | クローン病・潰瘍性大腸炎などの病名診断がある場合 |
| てんかん食 | 難治性てんかん(外傷性含む)・グルコーストランスポーター1欠損症・ミトコンドリア脳筋症 |
| 肝臓病食 | 肝炎・肝硬変・閉鎖性黄疸などの病名診断がある場合 |
| 胃潰瘍食 | 胃潰瘍・十二指腸潰瘍の病名診断がある場合 |
| 高度肥満症食 | 肥満度40%以上またはBMI30以上 |
つまり、疾患の幅は非常に広いということです。 特別食加算の対象病名と栄養食事指導料の対象病名は一部重なりますが、高血圧症の減塩食や小児食物アレルギーは栄養食事指導料のみの対象です。 この違いを知っているかどうかで、算定機会が変わります。 yb-satellite.co(https://www.yb-satellite.co.jp/mn_056.html)
参考:厚生局の指導対応と栄養食事指導料の実務的な算定ポイントについて
厚生局の指導等及び医療監視への対応策「(外来・入院)栄養食事指導料」| jimu-cho.net
現場では「糖尿病か腎臓病でなければ算定できない」と思い込んでいるスタッフが多く、算定漏れが発生しやすいです。 これは大きなロスです。 funaisoken.co(https://www.funaisoken.co.jp/solution/hospital_dietary-counseling-fee_709_S033)
たとえばがん患者への栄養指導は、特別食の有無に関係なく算定できます。 ただし良性腫瘍やポリープは算定不可であるため、病名の正確な確認が必要です。 nutri.co(https://www.nutri.co.jp/nutrition/keywords/ch7-2/keyword3/)
貧血食については病名だけでは不十分で、血中ヘモグロビン濃度が10g/dL以下であり、かつ原因が鉄欠乏に由来すると確認されていることが条件です。 鉄欠乏以外の貧血(例:腎性貧血・溶血性貧血)では算定できません。 鉄欠乏由来かの確認が条件です。 yb-satellite.co(https://www.yb-satellite.co.jp/mn_056.html)
また、脂質異常症の病名がある患者でも、数値基準(LDL≧140mg/dL等)を満たしていない場合や、薬物療法・食事療法で数値が改善した場合でも、医師が食事箋の必要性を認めていれば算定継続が可能です。 これは見落とされがちなポイントです。 yb-satellite.co(https://www.yb-satellite.co.jp/mn_056.html)
消化管手術後の患者についても、侵襲の大きな消化管手術後に胃潰瘍食に準ずる食事を提供する場合は算定対象となります。 外科系でも積極的に確認すべき場面です。
算定するには、管理栄養士による指導の実施記録をカルテ等に残し、時間要件と対象患者要件の両方を満たすことが絶対条件です。 記録が不十分だと、指導を実施していても算定が認められないリスクがあります。
管理栄養士は常勤である必要はありません。 要件に適合した指導が行われていれば、非常勤や外部委託の管理栄養士でも算定できます。これは使えそうです。 clinicalsup(https://clinicalsup.jp/jpoc/shinryou.aspx?file=ika_2_1_1%2Fb001_9.html)
医師の指示が算定の起点になります。 現場では「医師が指示を出さない」ために算定に至らないケースが多く報告されています。特定の疾患の外来患者に対して、管理栄養士からのアプローチで医師への働きかけを行うフローを院内で整備しておくことが実務上の有効策です。 jimu-cho(https://jimu-cho.net/%E5%8E%9A%E7%94%9F%E5%B1%80%E3%81%AE%E6%8C%87%E5%B0%8E%E7%AD%89%E5%8F%8A%E3%81%B3%E5%8C%BB%E7%99%82%E7%9B%A3%E8%A6%96%E3%81%B8%E3%81%AE%E5%AF%BE%E5%BF%9C%E7%AD%96%E3%80%8C%EF%BC%88%E5%A4%96%E6%9D%A5)
📋 算定もれを防ぐためのチェックリスト(実践向け)。
入院と外来で算定できる指導料の種類が異なるため、患者の状態(外来か入院か)も必ず確認してください。 clinicalsup(https://clinicalsup.jp/jpoc/shinryou.aspx?file=ika_2_1_1%2Fb001_10.html)
参考:外来栄養食事指導料の詳細要件(令和6年版)
B001 9 外来栄養食事指導料 | clinicalsup.jp(令和6年版診療報酬)
算定漏れは単純に収益の機会損失です。 外来栄養食事指導料1(対面・初回)は260点で、1点10円換算では1件あたり2,600円になります。
月に10件の算定漏れがあれば、月2万6,000円・年31万2,000円のロスになります。外来患者数が多いクリニックでは、対象病名の見直しだけで年間数十万円規模の収益改善が見込めます。 数字にするとインパクトが大きいですね。
2024年の診療報酬改定でICTを用いた指導も初回から算定可能になったことで、通院困難な患者に対してもオンラインで対応し算定できる機会が増えました。 遠方の患者や移動が困難な患者にもアプローチできる点は、算定件数の増加につながります。
対象病名の洗い出しを行い、医師・管理栄養士・医事スタッフの三者が連携して算定フローを整備することが現実的な対策です。 院内のルール化が継続的な算定件数増加につながります。 jimu-cho(https://jimu-cho.net/%E5%8E%9A%E7%94%9F%E5%B1%80%E3%81%AE%E6%8C%87%E5%B0%8E%E7%AD%89%E5%8F%8A%E3%81%B3%E5%8C%BB%E7%99%82%E7%9B%A3%E8%A6%96%E3%81%B8%E3%81%AE%E5%AF%BE%E5%BF%9C%E7%AD%96%E3%80%8C%EF%BC%88%E5%A4%96%E6%9D%A5)
算定件数の現状把握には、電子カルテや医事システムのレセプトデータを活用して「対象病名ありで指導料が算定されていない患者」を抽出する方法が効率的です。多くの医事ソフトでは算定チェック機能や病名別の集計機能が搭載されており、定期的な棚卸しに活用できます。
参考:令和6年度診療報酬改定の詳細ポイント(日本栄養士会)
令和6年度診療報酬改定のポイント | 公益社団法人日本栄養士会
栄養食事指導料と入院時食事療養費の特別食加算は、対象病名が一部異なります。 この違いを混同すると、算定できるはずの指導料を見逃すことになります。 yb-satellite.co(https://www.yb-satellite.co.jp/mn_056.html)
たとえば高血圧症の減塩食は、栄養食事指導料の対象ですが特別食加算の対象ではありません。 同様に小児食物アレルギー患者への指導も栄養食事指導料のみで算定可能です。逆に、てんかん食・フェニルケトン尿症食・楓糖尿症食などの代謝疾患食は、両方の加算で対象となっています。 jimu-cho(https://jimu-cho.net/%E5%8E%9A%E7%94%9F%E5%B1%80%E3%81%AE%E6%8C%87%E5%B0%8E%E7%AD%89%E5%8F%8A%E3%81%B3%E5%8C%BB%E7%99%82%E7%9B%A3%E8%A6%96%E3%81%B8%E3%81%AE%E5%AF%BE%E5%BF%9C%E7%AD%96%E3%80%8C%EF%BC%88%E5%A4%96%E6%9D%A5)
脂質異常症食は少し特殊なケースがあります。 高度肥満症(肥満度+70%以上またはBMI35以上)に対して食事療法を行う場合は、脂質異常症食に準じて特別食加算を算定できます。ただし栄養食事指導料での肥満症の要件(BMI30以上)とは基準値が異なるため、それぞれの要件を別々に確認することが大切です。 yb-satellite.co(https://www.yb-satellite.co.jp/mn_056.html)
以下の表で主な違いを整理します。 jimu-cho(https://jimu-cho.net/%E5%8E%9A%E7%94%9F%E5%B1%80%E3%81%AE%E6%8C%87%E5%B0%8E%E7%AD%89%E5%8F%8A%E3%81%B3%E5%8C%BB%E7%99%82%E7%9B%A3%E8%A6%96%E3%81%B8%E3%81%AE%E5%AF%BE%E5%BF%9C%E7%AD%96%E3%80%8C%EF%BC%88%E5%A4%96%E6%9D%A5)
| 食種 | 栄養食事指導料 | 特別食加算 |
|---|---|---|
| 糖尿病食 | ✅ | ✅ |
| 腎臓病食 | ✅ | ✅ |
| 高血圧の減塩食 | ✅ | ❌ |
| がん患者 | ✅ | ❌(原則) |
| 嚥下機能低下 | ✅ | ❌ |
| てんかん食 | ✅ | ✅ |
| 小児食物アレルギー | ✅ | ❌ |
| 低栄養状態 | ✅ | ❌ |
両加算の対象病名を別々のリストとして院内に掲示しておくと、医事スタッフも判断しやすくなります。 確認フローの整備が算定精度を高める近道です。 jimu-cho(https://jimu-cho.net/%E5%8E%9A%E7%94%9F%E5%B1%80%E3%81%AE%E6%8C%87%E5%B0%8E%E7%AD%89%E5%8F%8A%E3%81%B3%E5%8C%BB%E7%99%82%E7%9B%A3%E8%A6%96%E3%81%B8%E3%81%AE%E5%AF%BE%E5%BF%9C%E7%AD%96%E3%80%8C%EF%BC%88%E5%A4%96%E6%9D%A5)
参考:栄養食事指導料と特別食加算の対象疾患一覧
栄養食事指導料と入院時食事療養費(Ⅰ)特別食加算の対象一覧 | yb-satellite.co.jp