フルイトラン効果:作用機序から副作用まで医療従事者向け解説

フルイトラン(トリクロルメチアジド)の降圧・利尿効果について、作用機序や適応疾患、服用時の注意点を詳しく解説。医療従事者が知っておくべき臨床的な留意事項を網羅的に紹介していますが、あなたの患者にとって最適な用量や管理方法は何でしょうか?

フルイトラン効果

フルイトラン錠の主要な効果
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利尿作用

遠位尿細管でNa+-Cl-共輸送体を阻害し、ナトリウムと水分の排泄を促進します

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降圧効果

循環血液量減少と血管感受性低下により、長期的に安定した血圧低下を実現します

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浮腫改善

体内の余分な水分を尿として排出し、心性・腎性・肝性浮腫を軽減します

フルイトラン効果の作用機序

 

 

 

フルイトランの有効成分であるトリクロルメチアジドは、腎臓の遠位尿細管に局在するNa+-Cl-共輸送体を選択的に阻害することで薬理作用を発揮します。この阻害により、ナトリウムとクロールの再吸収が抑制され、尿中への排泄が増加します。

 

参考)フルイトラン錠1mgの効能・副作用|ケアネット医療用医薬品検…

ナトリウムの排泄増加に伴い、水の再吸収も抑制されるため利尿効果が現れます。服用後1~2時間以内に利尿効果のピークに達し、その作用は6~7時間持続することが報告されています。

 

参考)フルイトラン錠(トリクロルメチアジド)に含まれている成分や効…

降圧剤としての作用機序については、脱塩・利尿作用により循環血液量を減少させること、または交感神経刺激に対する末梢血管の感受性を低下させることで血圧が下降すると考えられています。臨床試験では、5年間にわたり安定した降圧効果が維持されることが確認されています。

 

参考)朝1回飲むだけで浮腫がとれる!便利な内服薬トリクロルメチアジ…

フルイトラン効果が認められる適応疾患

フルイトランは複数の疾患に対して効能・効果が認められています。主な適応疾患には、本態性高血圧症や腎性高血圧症を含む高血圧症、悪性高血圧があります。これらの疾患に対しては、少量から投与を開始し徐々に増量することで、副作用の発現を抑えながら良好な降圧効果が得られます。​
浮腫性疾患では、うっ血性心不全による心性浮腫、腎性浮腫、肝性浮腫が適応となります。利尿作用により体内の余分な水分を排出し、心臓の負担を軽減することで浮腫の改善が期待できます。

 

参考)くすりのしおり : 患者向け情報

月経前緊張症(PMS)も適応疾患のひとつです。月経前3~10日間続く身体的症状のうち、むくみに対する治療として利尿剤が用いられることがあり、月経開始とともに症状が消失します。

 

参考)https://shinryohoshu.mhlw.go.jp/shinryohoshu/yakuzaiMenu/doYakuzaiInfoKobetsuamp;2132003F3039;jsessionid=C2EA120160F486028058F4FEBA17B735

フルイトラン効果における用量設定と服用方法

通常、成人にはトリクロルメチアジドとして1日2~8mgを1~2回に分割して経口投与します。ただし、患者の年齢や症状により適宜増減することが推奨されています。

 

参考)フルイトラン錠2mgの効能・副作用|ケアネット医療用医薬品検…

高血圧症の治療においては、少量から投与を開始して徐々に増量することが重要です。高血圧治療ガイドライン2019では、サイアザイド系利尿剤を少量から開始することで副作用の発現を抑えながら良好な降圧効果が得られるとされています。実際の適正用量としては0.5~2mgが想定されており、添付文書の用量よりも少量での効果が認められています。

 

参考)https://www.nichiiko.co.jp/medicine/file/78690/interview/78690_interview.pdf

夜間の休息が特に必要な患者には、夜間の排尿を避けるため午前中に投与することが望ましいとされています。これにより睡眠の妨げを最小限に抑えることができます。

 

参考)利尿降圧薬「フルイトラン錠1mg・2mg(トリクロルメチアジ…

フルイトラン効果に伴う副作用と電解質異常

フルイトランには重大な副作用として報告されている症状があります。最も注意すべきは電解質異常で、低ナトリウム血症低カリウム血症が発現することがあります。低ナトリウム血症の初期症状には倦怠感、食欲不振、嘔気、嘔吐、痙攣、意識障害などがあります。低カリウム血症では倦怠感、脱力感、不整脈などが現れる可能性があります。

 

参考)フルイトラン錠1mgの基本情報(作用・副作用・飲み合わせ・添…

チアジド系利尿薬は遠位曲尿細管のNa+/Cl-共輸送体で作用し、尿中のナトリウム増加により集合管でのカリウム排泄が促進されるため、低カリウム血症のリスクが高まります。継続服用する場合は定期的な電解質検査が必要です。

 

参考)https://www.jstage.jst.go.jp/article/chiikiigaku/37/8/37_34/_pdf/-char/ja

その他の重大な副作用として、再生不良性貧血(初期症状:動悸、息切れ、あざ、喉の痛み)や間質性肺炎(初期は無症状が多い)が報告されています。主な副作用には発疹、顔面潮紅、光線過敏症、高尿酸血症高血糖症、頭痛、全身倦怠感などがあります。

 

参考)トリクロルメチアジドの効果・副作用を医師が解説【利尿剤】 -…

フルイトラン効果を安全に得るための服用管理

フルイトランの服用には慎重な患者管理が求められます。併用禁忌薬として、デスモプレシン酢酸塩水和物ミニリンメルト)があり、低ナトリウム血症が増強される可能性があるため絶対に併用してはいけません。

 

参考)フルイトラン錠1mgとの飲み合わせ情報[併用禁忌(禁止)・注…

体液中のナトリウム・カリウムが明らかに減少している患者、無尿の患者、急性腎不全の患者には投与できません。また、サイアザイド系薬剤に対する過敏症の既往歴がある患者も禁忌です。

 

参考)https://pins.japic.or.jp/pdf/newPINS/00061432.pdf

服用時の生活上の注意として、脱水症状や電解質失調のリスクに留意する必要があります。特に高齢者や夏場、運動時など発汗が多い場面では脱水を起こしやすいため、のどの渇きや立ちくらみ、めまい、倦怠感などの症状が現れた場合は速やかに医療機関を受診すべきです。​
降圧作用に基づくめまいやふらつきが現れることがあるため、高所作業や自動車運転などの危険を伴う作業には注意が必要です。飲み忘れた場合は気づいた時点で1回分を服用しますが、次回服用時間が近い場合は1回飛ばし、絶対に2回分を一度に服用してはいけません。

 

参考)医療用医薬品 : トリクロルメチアジド (トリクロルメチアジ…

フルイトランは1960年に日本で承認された歴史ある降圧利尿剤であり、チアジド系利尿薬として世界中で広く使用されています。60歳以上の老年者高血圧症患者を対象とした長期投与試験では、脳出血や心不全の発現が対照群よりも少なく、脳・心血管系疾患の発症全体でも良好な結果が示されました。

 

参考)https://pins.japic.or.jp/pdf/newPINS/00056788.pdf

フルイトラン錠の詳細な添付文書情報(KEGG MEDICUS)
作用機序や薬物動態、臨床試験結果など、医療従事者向けの詳細な薬剤情報を確認できます。

 

トリクロルメチアジドの効果・副作用の解説記事
患者指導に役立つ、わかりやすい言葉で書かれた効果や副作用、服用上の注意点の解説です。

 

くすりのしおり:フルイトラン錠2mg
患者向けの服薬指導資料として活用できる、効果や副作用、服用方法の説明です。

 


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