初期症状を見逃すと、患者の機能回復率が30%以上低下します。 takeda.co(https://www.takeda.co.jp/patients/cidp_mmn_navi/treatment/)
神経炎症では、運動神経や感覚神経の障害により、洗髪時に腕が上がらない、箸が使いづらいなどの日常動作の支障が現れます。足のしびれ、スリッパが脱げやすい、歩きにくいといった症状も典型的です。 nanbyou.or(https://www.nanbyou.or.jp/entry/4089)
症状の出現部位は障害される神経によって異なりますが、上肢や下肢の症状が中心となります。最も多い初期症状は「手足がジンジンする」「温度や振動がわからなくなる」などの四肢のしびれです。 neurotech(https://neurotech.jp/medical-information/chronic-inflammatory-demyelinating-polyneuropathy/)
感覚神経がダメージを受けると、足先や足裏にジンジン、ピリピリといったしびれを感じたり、正座の後のような感覚が続いたりします。運動神経の障害では筋力低下、筋萎縮、歩行困難が生じます。 fuelcells(https://fuelcells.org/topics/53006/)
自律神経の障害も見られることがあり、発汗異常、立ちくらみ、めまい、便秘、下痢、排尿障害、動悸などが出現します。つまり神経炎症は多系統にわたる症状を示すわけです。 fuelcells(https://fuelcells.org/topics/53006/)
初期には「灼けるような」「ビーンと走るような」などと表現される痛みがあります。感覚を感じ取る神経が十分に機能せず、自発的な痛みや衣類が触れただけで強く痛く感じるアロディニアなどの症状が出るのが特徴です。 ubie(https://ubie.app/byoki_qa/clinical-questions/f2lnkc7t04)
痛みの表現は電撃痛、刺すような痛み、冷たい・凍るような感覚、むず痒いなど多様です。典型的には腕が上がりづらい、風呂で頭が洗いづらい、シャワーを長く持っていられない、指先で細かい作業ができない、ボタンがつけづらい、お箸が思うように使えない、階段の上り下りがうまくできない、転びやすくなるなどの症状が出ます。 marianna-neurology(https://www.marianna-neurology.jp/sinryo_cidp.html)
手先や足先がビリビリする、痛みがあるなどの感覚症状も重要なサインです。一見、軽い違和感だったり、疲れによるものと感じたりする場合もありますが、こうした症状は神経炎症の前兆である可能性があります。 aj-clinic(https://www.aj-clinic.com/column/2673/)
慢性炎症性脱髄性多発神経炎では、症状が2ヶ月以上の経過で、再発性または慢性進行性の経過をとるのが診断のポイントです。見落としやすいのは単一神経の障害と誤診してしまうケースで、正中神経麻痺などと判断してしまうと重大な後遺障害につながる可能性があります。 shouman(https://www.shouman.jp/disease/instructions/11_43_104/)
神経炎症は、グリア細胞から分泌された炎症性サイトカインによって引き起こされます。ミクログリア細胞は、感染症、外傷性脳損傷、有毒代謝物、脊髄損傷、自己免疫などの合図に反応する自然免疫細胞です。 tsukuba.ac(https://www.tsukuba.ac.jp/journal/medicine-health/20210917140000.html)
具体的には、免疫系の異常により末梢神経系のニューロンの軸索を覆うミエリン髄鞘が攻撃を受けて脱落し、神経活動における情報が筋肉にスムーズに伝わらなくなります。慢性炎症性脱髄性多発神経炎特有の自己抗体は見つかっていません。 for-public.neuroimmunology(https://for-public.neuroimmunology.jp/columns/cidp/about-cidp/)
最近の研究では、神経炎症によって異常なオルガネラである微小核が海馬神経細胞で増加することが発見されました。微小核は炎症反応を亢進させることから、神経炎症が増幅される新しいメカニズムとして注目されています。 tsukuba.ac(https://www.tsukuba.ac.jp/journal/medicine-health/20210917140000.html)
診断には主要臨床症状、検査所見、除外診断の3つの柱があります。2ヶ月以上の経過の再発性または慢性進行性の経過をとる多発ニューロパチーが主要臨床症状です。 shouman(https://www.shouman.jp/disease/instructions/11_43_104/)
患側で深部腱反射が減弱し、多くの場合左右差が見られます。運動障害の症状は筋力低下ですが、特徴的な運動麻痺には下垂足、下垂手、鷲手、猿手などがあります。 miyake-naika(https://miyake-naika.com/01sindan/sinkei-kin-neuropathy.html)
電気生理学的検査では、神経伝導速度の低下や伝導ブロックなどの脱髄所見が重要です。髄液検査では蛋白細胞解離(髄液蛋白の上昇と細胞数の正常)が特徴的な所見となります。
鑑別すべき疾患として、ギラン・バレー症候群(急性発症)、多発性硬化症、視神経脊髄炎、糖尿病性神経障害、薬剤性神経障害などがあります。症状が右手の部位に限局されている場合でも、頭部や頸部のCTおよびMRI撮影を行わずに単一神経麻痺と診断すると、脳梗塞などの重大な疾患を見逃す危険性があります。 medsafe(https://www.medsafe.net/precedent/hanketsu_0_250.html)
慢性炎症性脱髄性多発神経炎に対する寛解導入療法の目的は、自己免疫によってミエリンに起こった炎症を抑えること、軸索に障害が及ばないようにすることです。発症の早期に治療を開始した場合ほど治療効果が良好です。 takeda.co(https://www.takeda.co.jp/patients/cidp_mmn_navi/treatment/)
治療の3本柱は副腎皮質ステロイド薬、経静脈的免疫グロブリン療法、血漿浄化療法です。小児では血漿浄化療法は施行しにくく、ステロイド薬または免疫グロブリン療法を選択することが多いです。 tmhp(https://www.tmhp.jp/shinkei/section/medical-department/child-neurology/child-neurology-disease/neuroimmune.html)
多発性硬化症では「炎症」すなわち疾患活動性をしっかりと管理することが重要です。疾患活動性は病初期に最も強く、その後徐々に低下してくることから、無症状であっても病初期より適切な治療選択を行う必要があります。 marianna-neurology(https://www.marianna-neurology.jp/sinryo_ms.html)
症状は治療によって改善する可能性がありますが、完全寛解に至らないケースもあります。早期に正しく診断し、速やかに適切な治療を開始できるよう、脳神経内科を受診して正しい診断を受けることが大切です。 hosp.hyo-med.ac(https://www.hosp.hyo-med.ac.jp/disease_guide/detail/114)
予後を左右する因子として、発症からの治療開始までの期間、軸索障害の程度、治療反応性などがあります。軸索に障害が及ぶ前に免疫抑制治療を開始することが、機能回復の鍵となります。
<参考リンク>
神経炎症のメカニズムと最新研究について
筑波大学の神経炎症増幅メカニズムの研究
慢性炎症性脱髄性多発神経炎の診断基準詳細
小児慢性特定疾病情報センター診断の手引き
治療選択と早期介入の重要性
CIDP・MMNの治療ガイド