エルカルチンは大塚製薬が製造販売するカルニチン欠乏症治療薬の商品名です。有効成分としてレボカルニチンを含有し、錠剤、内用液、静注剤の3剤形が存在します。1990年に最初の製剤「エルカルチン錠」が発売され、プロピオン酸血症およびメチルマロン酸血症におけるレボカルニチン欠乏の改善に使用されていました。2011年には効能・効果が「カルニチン欠乏症」に拡大され、より広範な患者に適応が認められました。
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エルカルチンFF内用液10%は、1mL中にレボカルニチン100mgを含有する無色から微黄色澄明の液剤です。分包タイプとして5mL分包と10mL分包が用意され、錠剤の服用が困難な患者に対応しています。静注製剤のエルカルチンFF静注1000mgシリンジは、カルニチン欠乏により急性期の治療を要する場合や経口摂取ができない患者に速やかな補充が可能です。
参考)カルニチン欠乏症治療薬「エルカルチン」 新剤形を発売|201…
エルカルチンの剤形は患者の病態や年齢に応じて選択されます。小児や頻回分割投与にはエルカルチンFF錠100mgが適し、成人や高用量投与にはFF錠250mgが用いられます。
血液透析患者では透析終了後の投与が推奨され、透析による持続的なカルニチン喪失を補完します。
レボカルニチンは化学名(R)-3-Hydroxy-4-trimethylammoniobutanoate、分子式C7H15NO3、分子量161.20の白色結晶性粉末です。水に極めて溶けやすく、エタノールにやや溶けやすい吸湿性を有します。水溶液のpHは6.5から8.5の範囲を示し、約200℃で分解します。
参考)https://pins.japic.or.jp/pdf/newPINS/00063853.pdf
レボカルニチンは体内で脂肪酸代謝において重要な役割を担います。長鎖脂肪酸をミトコンドリア内膜を通過させてミトコンドリアマトリックスへ輸送し、そこでβ酸化が行われエネルギーが産生されます。この過程で、レボカルニチンは有機カチオン/カルニチントランスポーター(OCTN2)を介して細胞内に取り込まれます。
参考)https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC5621476/
レボカルニチンの投与により組織内のカルニチン欠乏状態が是正され、組織内で過剰に蓄積した有害なプロピオニル基がプロピオニルカルニチンとして体外へ排泄されます。また、プロピオニル基からミトコンドリア機能を保護し、その代謝を賦活します。ラット肝ミトコンドリアを用いた実験では、l-体はミトコンドリア呼吸活性への抑制作用を示さず、プロピオン酸によるミトコンドリア呼吸能の抑制作用に対して有意な回復作用を示しました。
カルニチンはL-カルニチン、アセチル-L-カルニチン、プロピオニル-L-カルニチンなど、いくつかの化合物の総称です。L-カルニチンとD-カルニチンという2つの光学異性体が存在し、生体内で利用されるのは主にL-カルニチンです。D-カルニチンはL-カルニチンの作用を阻害し、L-カルニチン欠乏を起こす原因となる可能性があります。
参考)厚生労働省eJIM
エルカルチン製剤にはレボカルニチン塩化物を有効成分とする従来の「エルカルチン錠」と、レボカルニチンフリー体(FF: Free Form)を有効成分とする「エルカルチンFF」シリーズがあります。レボカルニチン塩化物の分子量は197.66であり、レボカルニチンフリー体の分子量161.20と比較して大きくなっています。このため、同じレボカルニチンの量を投与する場合、塩化物製剤とフリー体製剤では投与量の換算が必要です。
参考)3製剤の有効成分を揃えて医療現場のニーズに応える カルニチン…
たとえば、レボカルニチンとして1日1.5gを投与する場合、フリー体製剤では1日1.5gですが、塩化物製剤では1日1.8gの投与量となります。レボカルニチンとして3.0gを投与する場合は、フリー体製剤で3.0g、塩化物製剤で3.6gとなります。この換算の複雑さを解消するため、現在では3剤形すべてがフリー体製剤として統一されています。
参考)Redirecting to https://med.tow…
カルニチンは条件付き必須栄養素として分類され、特定の条件下(早産、腎機能障害など)においてのみ、個人の合成能力を上回る必要量が生じます。成人の体内には約20gのカルニチンが存在し、そのほとんどが骨格筋に蓄えられています。カルニチンは肝臓や腎臓でリジンとメチオニンというアミノ酸から内因的に合成されます。
参考)カルニチンがダイエットに効くって本当? - VALX(バルク…
カルニチンの必要量の約75%は食事から補給され、残りの25%は体内で合成されます。動物性食品、特に牛肉などの赤身肉、魚介類、乳製品にカルニチンが豊富に含まれています。菜食主義者は肉食者と比較して食事からのカルニチン摂取量が少ないものの、腸内細菌の構成の違いにより、カルニチン摂取後に産生される代謝物TMAOの量が異なります。
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カルニチンはエネルギー生産に重要な役割を果たし、アデノシン三リン酸(ATP)という形態でエネルギーを生成するのに不可欠な補酵素です。また、カルニチンはミトコンドリアから一部の有毒化合物を輸送する機能も持ちます。カルニチンの生合成量は20代をピークとして、加齢により減少していきます。
エルカルチンは医療用医薬品であり、カルニチン欠乏症という診断がついた患者にのみ処方される処方箋医薬品です。投与に際しては、臨床症状・検査所見からカルニチン欠乏症と診断された場合、あるいはカルニチン欠乏症が発症する可能性が極めて高い状態である場合にのみ投与されます。カルニチンの欠乏状態の検査に加え、カルニチン欠乏の原因となる原疾患の特定が原則として必要です。
参考)医療用医薬品 : エルカルチン (商品詳細情報)
一方、サプリメントとして販売されているL-カルニチンは健康食品に分類され、医薬品とは異なる規制下にあります。サプリメントは脂肪燃焼効果やダイエット目的で使用されることが多く、DHCやアサヒなど多くのメーカーから販売されています。原料としては主にL-カルニチン酒石酸塩やL-カルニチンフマル酸塩が使用されます。
参考)topic* L-カルニチンの違い
サプリメントのカルニチンは医薬品のような厳格な製造管理基準や臨床試験データの提出義務がなく、効能効果の表示にも制限があります。医療用のエルカルチンは用法・用量が厳密に定められており、成人では通常レボカルニチンとして1日1.5から3gを3回に分割経口投与し、小児では1日体重1kgあたり25から100mgを3回に分割経口投与します。
参考)製品案内
カルニチン欠乏症は一次性(原発性)と二次性に分類されます。一次性カルニチン欠乏症(PCD)は常染色体劣性遺伝疾患であり、SLC22A5遺伝子の機能喪失変異によって引き起こされます。この遺伝子はOCTN2と呼ばれる高親和性ナトリウムイオン依存性有機カチオントランスポーター蛋白をコードしており、欠損により尿中へのカルニチン喪失が増加します。
参考)https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC2557099/
二次性カルニチン欠乏症は先天性代謝異常症、肝硬変や経管栄養などの後天的医学的原因、血液透析やバルプロ酸投与など医原性の原因により体内のカルニチンが低下する疾患です。先天代謝異常症に伴う二次性カルニチン欠乏症としては、プロピオン酸血症、メチルマロン酸血症、イソ吉草酸血症、カルニチンアシルカルニチントランスロカーゼ(CACT)欠損症などがあります。
参考)大塚製薬、カルニチン欠乏症治療薬「エルカルチン」新剤形を発売…
血液透析患者では透析による持続的なカルニチン喪失が発生し、カルニチン欠乏状態となります。バルプロ酸投与による薬剤性カルニチン欠乏症では、バルプロ酸が体内でカルニチンと結合してバルプロイルカルニチンとなり、尿中に排泄されることでカルニチンが消費されます。ピバリン酸を含む抗菌薬の長期投与も、同様の機序でカルニチン欠乏を引き起こします。
参考)https://www.pmda.go.jp/drugs/2012/P201200154/18007800_22400AMX01483000_B100_1.pdf
一次性カルニチン欠乏症の患者は乳児期に急性代謝性代償不全を呈するか、小児期に重度の心筋症を発症することがあります。心筋症に関連した心不全は生命を脅かす可能性があり、通常は骨格筋ミオパチーを伴います。低ケトン性低血糖、高アンモニア血症、昏睡などの症状が出現し、早期発見と治療が救命のために重要です。
参考)https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC3875693/
カルニチン欠乏症の一般的な症状として、筋肉の痛み、筋力低下、易疲労感、無気力、頭痛などが報告されています。重症化すると低血糖発作による昏睡、拡張型心筋症、突然死などの生命を脅かす合併症が発生する可能性があります。
筋萎縮や筋緊張の低下、けいれん発作なども観察されます。
参考)https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC5351108/
バルプロ酸投与に伴うカルニチン欠乏症では、高アンモニア血症性脳症が発症することがあります。高蛋白摂取時の血漿中アンモニア濃度の上昇が認められ、レボカルニチン投与により抑制効果が示されます。透析患者での二次性カルニチン欠乏症では、筋力の低下、筋痛、筋痙攣などの臨床症状が出現します。
参考)https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC10541038/
カルニチン欠乏症の診断には血漿中遊離カルニチン濃度、総カルニチン濃度、アシルカルニチン濃度の測定が重要です。血中カルニチン濃度が基準値より低下していることが診断の根拠となります。新生児マススクリーニングでは、乾燥濾紙血によるタンデムマス法により脂肪酸酸化異常症やカルニチン欠乏症のスクリーニングが実施されています。
参考)https://www.jpeds.or.jp/uploads/files/20181207_shishin.pdf
遺伝学的検査ではSLC22A5遺伝子の変異解析が一次性カルニチン欠乏症の確定診断に用いられます。尿中カルニチン排泄量の測定も診断に有用であり、一次性カルニチン欠乏症では尿中カルニチン排泄の増加が特徴的です。二次性カルニチン欠乏症の診断では、原因となる基礎疾患の特定が重要です。
参考)https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC10996344/
血液透析患者では、透析前と透析後の血中カルニチン濃度を測定し、目標濃度範囲(透析前値30-60μmol/L、透析後値20-50μmol/L)を設定します。定期的な臨床検査、バイタルサイン、カルニチンの欠乏状態のモニタリングが推奨されます。肝・腎機能検査、尿検査も定期的に実施し、副作用の早期発見に努めます。
エルカルチンの投与適応は、臨床症状・検査所見からカルニチン欠乏症と診断された場合、あるいはカルニチン欠乏症が発症する可能性が極めて高い状態である場合に限定されます。投与に際しては原則として、カルニチンの欠乏状態の検査に加え、カルニチン欠乏の原因となる原疾患を特定することが必要です。
参考)医療用医薬品 : エルカルチン (エルカルチンFF静注100…
一次性カルニチン欠乏症患者にレボカルニチン1回1g1日3回経口投与したところ、筋萎縮の減少、筋力の改善が認められました。先天代謝異常症に伴う二次性カルニチン欠乏症では、プロピオン酸血症患児2例にレボカルニチン25mg/kg/日、メチルマロン酸血症患児1例に100mg/kg/日を単回経口投与したところ、血漿中遊離カルニチン、短鎖・長鎖アシルカルニチン濃度が上昇しました。
血液透析患者での二次性カルニチン欠乏症では、レボカルニチン2g/日経口投与により、筋力の回復、筋痛、筋痙攣などの臨床症状の改善が認められました。バルプロ酸投与による二次性カルニチン欠乏症患者11例において、レボカルニチン50mg/kg/日経口投与により、高蛋白摂取時の血漿中アンモニア濃度の上昇抑制が認められました。
エルカルチンFF内用液および錠剤の用法用量は、成人では通常レボカルニチンとして1日1.5から3gを3回に分割経口投与します。小児では通常レボカルニチンとして1日体重1kgあたり25から100mgを3回に分割経口投与します。患者の状態に応じて適宜増減が可能ですが、小児への投与に際しては原則として成人用量を超えないことが望ましいとされています。
エルカルチンFF静注の用法用量は、通常レボカルニチンとして1回体重1kgあたり50mgを3から6時間ごとに緩徐に静注(2から3分)または点滴静注します。患者の状態に応じて適宜増減可能ですが、1日の最大投与量は体重1kgあたり300mgとされています。血液透析に伴うカルニチン欠乏症に対しては、通常レボカルニチンとして体重1kgあたり10から20mgを透析終了時に透析回路静脈側に注入します。
参考)https://pins.japic.or.jp/pdf/newPINS/00067225.pdf
投与に際しては低用量から開始し、臨床症状の改善の程度と副作用の発現の程度、定期的な臨床検査、バイタルサイン、カルニチンの欠乏状態などから投与量を総合的に判断します。増量する場合には慎重に判断し、漫然と投与を継続しないことが重要です。血液透析患者への投与では高用量を長期間投与することは避け、血液透析日には透析終了後に投与します。
エルカルチンには錠剤(FF錠100mg、FF錠250mg)、内用液(FF内用液10%)、静注剤(FF静注1000mgシリンジ)の3剤形があり、患者の状態や投与経路に応じて選択します。エルカルチンFF錠100mgは乳幼児・小児や頻回分割投与に使用され、FF錠250mgは成人や高用量投与に適しています。
エルカルチンFF内用液10%は錠剤が飲めない患者のために開発され、分包タイプは5mLと10mLの2種類があります。内用液は無色から微黄色澄明の液体であり、pHは4.3から4.7に調整されています。アルミスティック分包品はポータビリティに優れ、外出時や入院時の服薬管理が容易です。
エルカルチンFF静注1000mgシリンジはプレフィルドシリンジ製剤であり、カルニチン欠乏により起こる急性期の脳症、高アンモニア血症などの患者や経口摂取ができない患者に対して速やかに補充できます。1シリンジ5mL中にレボカルニチン1000mgを含有し、緊急時の投与に対応します。静注剤は血液透析終了時の投与にも使用され、透析回路静脈側に注入する方法が推奨されています。
従来のエルカルチン錠(レボカルニチン塩化物)とエルカルチンFF製剤(レボカルニチンフリー体)では、有効成分の分子量が異なるため投与量の換算が必要です。レボカルニチン塩化物の分子量は197.66、レボカルニチンフリー体の分子量は161.20であり、塩化物製剤の方が約1.2倍の分子量を持ちます。
レボカルニチンとして投与する場合、フリー体製剤で1日1.5gを投与する際は、塩化物製剤では1日1.8gとなります。フリー体製剤で1日3.0gの場合、塩化物製剤では1日3.6gの投与が必要です。この換算の複雑さにより、処方変更時に投与量の誤りが生じるリスクがありました。
現在ではエルカルチンFF製剤として錠剤、内用液、静注剤の3剤形すべてがレボカルニチンフリー体で統一されており、剤形間の切り替え時に投与量換算の複雑さがなくなりました。ただし、従来のエルカルチン錠(塩化物)からエルカルチンFF製剤へ切り替える場合は、換算表を参照して適切な投与量を設定する必要があります。製剤間の生物学的同等性は確認されており、血漿中遊離カルニチン濃度のAUCとCmaxはほぼ同等です。
血液透析患者への投与では、透析による持続的なカルニチン喪失を補完するため、長期的な投与が必要となります。導入初期(1から3か月)は週3回の透析後投与を行い、血中濃度20から50μmol/Lを目標とします。維持期(4か月以降)は症状改善度に応じた投与量調整を行い、目標濃度30から60μmol/Lを維持します。3か月ごとの血中濃度モニタリングと用量調整が推奨されます。
妊婦または妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与します。レボカルニチン塩化物を投与した動物実験(ラット)で胎児への移行が報告されています。授乳婦では治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続または中止を検討する必要があります。
高齢者では一般に生理機能が低下しているため、患者の状態を観察し、減量するなど十分に注意しながら投与します。重篤な腎機能障害のある患者または透析下の末期腎疾患患者では、低用量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与し、漫然と投与を継続しないことが重要です。高用量の長期投与によりトリメチルアミンなどの有害な代謝物が蓄積するおそれがあります。
エルカルチン投与時の副作用として、消化器症状が最も頻繁に報告されています。1%未満の頻度で食欲不振、下痢、軟便、腹部膨満感が発現し、頻度不明ながら悪心・嘔吐、腹痛も報告されています。これらの消化器症状は低用量から開始し、徐々に増量することで軽減できる可能性があります。
過敏症として発疹、そう痒感が1%未満の頻度で報告されています。その他の副作用として、顔面浮腫、血尿、貧血が1%未満、体臭が頻度不明で発現しています。体臭はカルニチンの代謝産物であるトリメチルアミンによるものと考えられ、特に高用量投与時や腎機能障害患者で注意が必要です。
副作用が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行います。投与中は定期的にバイタルサイン、臨床検査(血液検査、肝・腎機能検査、尿検査)、カルニチンの欠乏状態のモニタリングを行うことが望ましいとされています。特に血液透析患者では期待する効果が得られない場合には、漫然と投与を継続しないことが重要です。
エルカルチンは糖尿病用薬(経口糖尿病治療薬、インスリン製剤など)と併用注意となっています。併用により低血糖症状があらわれるおそれがあり、機序は不明とされていますが、カルニチンの投与により糖代謝が改善されることで血糖降下作用が増強される可能性が考えられます。糖尿病治療を受けている患者にエルカルチンを投与する際は、血糖値の定期的なモニタリングが必要です。
バルプロ酸投与によるカルニチン欠乏症に対してエルカルチンを投与する場合、バルプロ酸の血中濃度に影響を与える可能性があります。バルプロ酸はカルニチンと結合してバルプロイルカルニチンとなり尿中に排泄されるため、カルニチン補充によりバルプロ酸の代謝が変化する可能性があります。バルプロ酸投与中の患者にエルカルチンを投与する際は、バルプロ酸の血中濃度モニタリングが推奨されます。
ピバリン酸を含む抗菌薬(セフジトレンピボキシルなど)との併用により、カルニチン欠乏が増悪する可能性があります。ピバリン酸はカルニチンと抱合して尿中に排泄されるため、併用によりカルニチン消費が増大します。特に長期投与(14日以上)の場合に注意が必要であり、定期的な血中カルニチン濃度の測定が推奨されます。
エルカルチンの投与禁忌は、本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者のみです。過去にエルカルチン製剤で過敏症(発疹、そう痒感など)を経験した患者には投与できません。
重篤な腎機能障害のある患者または透析下の末期腎疾患患者では、低用量から投与を開始し、患者の状態を観察しながら慎重に投与します。高用量の長期投与によりトリメチルアミンなどの有害な代謝物が蓄積するおそれがあり、重篤な腎機能障害のある患者を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施されていません。血液透析患者では期待する効果が得られない場合には漫然と投与を継続せず、投与中止を検討します。
エルカルチンFF錠は一包化調剤を避けることが推奨されています。これは吸湿性があるため、アルミピロー開封後は湿気を避けて保存する必要があるためです。PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導が必要であり、PTPシートの誤飲により硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、穿孔をおこして縦隔洞炎などの重篤な合併症を併発することがあります。
エルカルチン投与により期待する効果が得られない場合、まず血中カルニチン濃度の測定を行い、適切な血中濃度に達しているか確認します。血中濃度が低い場合は投与量の増量を検討しますが、患者の状態に応じて適宜増減し、増量する場合には慎重に判断します。
原因疾患の再評価も重要です。カルニチン欠乏症の原因となる原疾患が適切にコントロールされているか確認し、必要に応じて基礎疾患の治療強化を行います。二次性カルニチン欠乏症では、原因疾患の治療がカルニチン補充と同等またはそれ以上に重要です。
参考)カルニチン欠乏症 - 09. 栄養障害 - MSDマニュアル…
食事療法の見直しも効果改善に寄与する可能性があります。カルニチンを多く含む食品(赤身肉、魚介類、乳製品)の摂取を増やし、栄養バランスのよい食事を心がけます。脂肪酸酸化異常症の患者には高炭水化物で低脂肪の食事が必要であり、中鎖脂肪酸トリグリセリドおよび必須脂肪酸を含むサプリメントが有用な場合があります。絶食および激しい運動は避け、就寝時に生のコーンスターチを摂取して早朝の低血糖を予防することも推奨されています。
参考)カルニチン欠乏症とは?症状や予防策、治療法についても解説│健…

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