遺伝子解析の費用は、調べる遺伝子の範囲と目的によって大きく異なります。市販の遺伝子検査キットは、GeneLife Genesis2.0が360項目以上の解析で12,980円(税込)、MYCODE ヘルスケアが280項目以上で32,780円(税込)と比較的手頃な価格設定です。これらは主にマイクロアレイ法を用いて特定の遺伝子型を読み取り、体質や疾患傾向を評価します。専門型の検査キットでは、GeneLife DIETのようなダイエット特化型が2,980円(税込)から提供されており、特定の目的に絞った解析が可能です。3i-partners+2
医療機関で実施される包括的な遺伝子解析では、価格が大幅に上昇します。全エクソーム解析の受託サービスは1検体あたり29,800円から60,000円程度で提供されており、研究目的の全エクソーム解析は1例あたり10万円以下とされています。一方、臨床用途の全ゲノムシーケンシングは、ジェネシスヘルスケアが個人向けに149,900円(税込)で提供を開始し、国内初の個人向け全ゲノム解析サービスとして注目されています。ジーネックスも全ゲノム検査を59,800円(税別)で提供しており、約30億塩基対すべてを調べることができます。rikengenesis+4
次世代シーケンサー(NGS)技術の進歩により、シーケンスコストは劇的に下がりました。2007年のNGS登場以降、ヒトゲノムの解読コストは1回当たり5,000~10,000ドル(約47万~95万円)まで低下しており、米イルミナ社は2023年に約30億からなるヒトゲノムを200ドル台で解読できる新型シーケンサーを投入しています。2013年以降、ゲノムあたりの平均コストは96%減少し、遺伝子解析装置の医療用途での普及価格帯は1万円程度になると予想されています。ameblo+3
日本では2019年6月よりがん遺伝子パネル検査が健康保険の適用対象となり、がんゲノム医療の実用化が進んでいます。保険適用のがん遺伝子パネル検査は、検査費用が約56万円とされており、3割負担の場合は患者の自己負担額が約16万8,000円となります。2024年1月現在、保険適用となっているがん遺伝子パネル検査は5種類で、腫瘍組織パネル検査と血液パネル検査があります。pmc.ncbi.nlm.nih+3
腫瘍組織パネル検査には、FoundationOne CDx(324遺伝子)、NCCオンコパネル(124遺伝子)、GenMineTOP(737遺伝子)があり、いずれも3割負担で168,000円の自己負担です。血液パネル検査には、FoundationOne Liquid CDx(324遺伝子)とGuardant360 CDx(74遺伝子)があり、血液中に流れるがんのDNAを用いて検査を行います。検査の品質確認は2段階で実施され、最初の病理品質検査段階で解析中止となった場合には、検査料588,500円から187,000円が控除されます。jfcr+2
保険適用となるための条件として、血液のがん以外の患者で標準治療が終了している、または終了が見込まれる患者、原発不明がんや希少がんなど標準治療が確立されていないがんの患者が対象となります。全身状態が比較的良好で予後がある程度見込まれる患者、提出できるがん組織検体がある、または採血が可能である患者という条件も満たす必要があります。標準治療におけるがん遺伝子検査では、肺がん(EGFR、BRAF、ALK、ROS1、MET、KRAS、RET、NTRK1-3)、大腸がん(KRAS、NRAS、BRAF、MSI)、乳がん・卵巣がん(BRCA1、BRCA2、MSI)などが対象となります。centralmedicalclub
保険適用の条件を満たさない場合、自費診療でより包括的な遺伝子解析を受けることができます。ゲノム診療センターでは、プレシジョン・エクソーム検査が1,012,000円(税込)、プレシジョン検査が588,500円(税込)、エクソーム検査が759,000円(税込)で提供されています。これらの自費検査では、約2万遺伝子(プレシジョン・エクソーム)や160遺伝子(プレシジョン)を解析対象とし、保険診療の検査よりも幅広い遺伝子変異を調べることが可能です。hmedc
検体の追加解析が必要な場合、プレシジョン・エクソーム検査で432,300円(税込)、プレシジョン検査で312,400円(税込)の追加費用が発生します。検査中止時の料金も設定されており、病理品質検査後中止の場合はプレシジョン・エクソーム検査で121,000円、プレシジョン検査で187,000円が請求されます。がん遺伝子検査相談料として33,000円(税込)も別途必要です。hmedc
遺伝性疾患の診断を目的とした自費検査も提供されています。理研ジェネシスでは、Human Exome解析キャンペーンとして1検体あたり29,800円(税別)の特別価格を提供しており、全ゲノム解析は498,000円(税別)、RNAシーケンスは230,000円(税別)となっています。これらの受託解析サービスは、研究機関や医療機関向けに最新の遺伝子解析装置を用いて高品質な解析を実現しています。遺伝性疾患の確定診断には、全エクソーム解析が有効であり、従来の単一遺伝子検査やパネル検査を繰り返す必要がなくなるため、診断に至るまでの時間と費用を削減できる可能性があります。minerva-clinic+1
次世代シーケンサー(NGS)技術の飛躍的な進歩により、遺伝子解析のコストは劇的に低下しています。2007年のNGS登場前、ヒトゲノムプロジェクトでは全ゲノム解読に13年の歳月と30億ドル(当時の円換算で約4300億円)もの費用が必要でした。その後、塩基配列を読み取る次世代シーケンサーの能力向上により、ヒトゲノムの解読時間は短縮され、費用も2007年の約7000万ドルから2022年には2000ドルまで下がりました。pmc.ncbi.nlm.nih+1
第2世代シーケンサーはIllumina社に代表され、リード長が短くエラー率が低いという特徴があります。一方、第3世代シーケンサーはPacBio社やNanoPore社が開発し、リード長が長くエラー率が高いという特徴を持ちます。Illumina社は継続的な革新を通じてNGSをより安価でアクセスしやすいものにしており、2013年以降ゲノムあたりの平均コストは96%減少しています。特にOxford Nanoporeのシーケンサーは数万円で入手可能となり、研究機関だけでなく個人レベルでも手が届く価格帯になっています。olvtools+2
NGS解析のコストは、サンプル調製、シーケンス、データ解析の3段階に分かれます。シーケンスにかかるコストは、必要なデータ量、生物種(ゲノムサイズなど)、解析の種類によって異なります。外注する場合、シーケンスは十万円前後から提供されることが多く、ヒト全ゲノムシーケンスは140,000円から188,000円程度、ヒト全エクソーム解析は60,000円から95,000円程度となっています。NovaSeq相乗りサービスでは、1レーンあたり120Gbの高出力により、1サンプル25,680円(参考価格)からシーケンスが可能です。qiita+2
研究用途での全エクソーム解析のコストは現在では1例あたり5万円程度、全ゲノム解析でも10万円ほどになっており、他の検査と比較しても価格的には問題とならないレベルまで低下しています。試薬容量を微量化することで、NGSライブラリ調製のコストをマニュアルのプロトコルおよび従来の自動プロトコルと比較して1/6にすることも可能です。このような技術革新により、全ゲノム解析の費用は検査を分析・解析・解釈の3つの工程に分解して試算すると、技術革新に伴う費用の低下が顕著であることが示されています。mhlw+2
研究機関や大学向けの受託解析サービスでは、様々な解析タイプと価格帯が用意されています。GeneNexでは、ヒト全ゲノムシーケンス(90G raw data)がデータ解析ありで188,000円、データ解析なしで140,000円(税別)となっており、ヒト全エクソーム解析(6G)はデータ解析なしで60,000円、12Gで95,000円、Bioinformatics解析オプションは20,000円です。真核生物のRNAシーケンスは、3Gで45,000円から12Gで90,000円まで、データ量に応じた価格設定がされています。gene-nex
理研ジェネシスでは、全ゲノム解析のキャンペーン価格として498,000円(税別)、RNAシーケンスを230,000円(税別)で提供しています。ヒトエクソーム解析は1検体あたり29,800円(税別)の特別価格で提供されており、NovaSeq X Plusによる高品質な解析が可能です。8検体の解析では1検体73,000円(合計584,000円)、16検体では1検体71,000円(合計1,136,000円)とボリュームディスカウントも適用されます。rikengenesis+1
DNA抽出や品質確認を含む包括的なサービスも提供されています。メタゲノムシーケンスは6Gで150,000円、12Gで200,000円(解析あり)となっており、アンプリコンシーケンス(16S)は100,000 raw readsで1~10検体が14,000円、11~20検体が13,000円です。LncRNAシーケンス(Long non coating RNA)は10Gで解析ありが180,000円、解析なしが110,000円となっています。これらの受託サービスは、イルミナシーケンサー(NovaSeq、NextSeq)を用いた低価格・短納期のNGS解析を特長としており、日本国内完結型のサービスとして提供されています。wakenyaku+1
特殊な解析では、全ゲノムバイサルファイトシーケンス(DNAメチル化)が90G raw dataで解析ありが500,000円、エピジェネティクス的年齢を決定する受託サービスも提供されています。単一細胞ゲノム情報解析では、全ゲノム配列解析(全ゲノムライブラリーの調製とシーケンス解析)が1サンプル・1セルあたり382,600円から783,800円まで、施設や用途によって価格が異なります。funakoshi+2
遺伝子解析の費用対効果は、早期診断と治療選択の最適化により長期的な医療費削減につながる可能性があります。英国のNHSで実施された出生前エクソームシーケンス解析の費用対効果分析では、標準検査に加えてエクソームシーケンスを実施することで、医療システムにとって費用対効果が高いことが示されました。妊娠18~22週の女性では、エクソームシーケンス単独で最も低コスト(1億8800万ドル)かつ最高の質調整生存年(8734)を達成し、同様の傾向が観察されました。pmc.ncbi.nlm.nih+1
がん遺伝子パネル検査の費用対効果も評価されています。日本で2019年6月に導入されたFoundation One CDx(F1CDx)を用いた包括的ゲノムプロファイリング検査と治療の費用対効果分析では、短期的な健康経済学的観点から適切であることが示されました。多遺伝子シーケンス検査と治療により、早期診断が実現され、ステージとタイムシフトによる患者の生存率向上、質調整生存年の増加、症例あたりの治療コスト低減が期待されます。pmc.ncbi.nlm.nih+1
一方で、遺伝子解析のコストには解析後のデータ解釈やエキスパートパネルの負担も含まれます。全ゲノム解析では解析する遺伝子数の増加でエキスパートパネルの仕事量が増えますが、近い将来、AIによる支援で効率や精度を上げることができると期待されています。「1000ドルゲノム」という表現は、実際の検査の全コストが1000ドルであることを意味するものではなく、シーケンスの直接コストのみを指しています。全ゲノム解析の真のコストには、サンプル調製、データ解析、結果の解釈、遺伝カウンセリング、フォローアップなど多くの要素が含まれます。pmc.ncbi.nlm.nih+2
保険カバレッジの有無は遺伝子検査の結果に影響しないとする研究もあります。保険会社が検査費用をカバーしなかった個人を対象とした研究では、16%に病的変異が同定され、10%にがん歴に関連する意義不明変異(VUS)が見つかりました。これらの割合は、保険適用された検査での病的または病的可能性の高い変異の12%という割合と有意な差がなく、保険カバレッジの決定が必ずしも臨床的有用性を反映していないことが示唆されました。日本では全ゲノム解析を先進医療の新しい枠組みで採り入れ、検査費用を患者負担とすることで、今の患者にも未来の患者にも恩恵があるとの考え方が提案されています。medius+1
Human Genome Projectの成果と次世代シーケンサーの進化についての参考情報。
Personal genomes in progress: from the Human Genome Project to the Personal Genome Project
全ゲノム解析の実際のコストに関する詳細な分析。
The complete costs of genome sequencing: a microcosting study in cancer and rare diseases from a single center in the United Kingdom
日本のがんゲノム医療と保険適用に関する包括的な情報。
がん医療における遺伝子検査 もっと詳しく - がん情報サービス
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