セララ(一般名:エプレレノン)は、ステロイド骨格を有する選択的ミネラルコルチコイド受容体(MR)拮抗薬です。細胞内に存在するMR受容体に選択的に結合し、アルドステロンの結合と競合拮抗することで降圧作用を発揮します。アルドステロンは腎臓の遠位尿細管でナトリウムと水の再吸収を促進し、カリウムの排泄を増加させるホルモンですが、セララはこの作用を阻害することで体液量を減少させ血圧を下げます。第一世代のスピロノラクトンと比較して、セララはMR受容体への選択性が高く、性ホルモン受容体への作用が少ないため、女性化乳房や月経不順などの副作用リスクが低減されています。passmed+5
セララの降圧作用には、腎臓での作用だけでなく、アルドステロンによる血管の機能変化や血管損傷を抑制することによる血圧調節能の維持、さらに中枢でのアルドステロンの作用抑制も関与していることが報告されています。アルドステロンは心臓や血管壁でも産生され、心臓および血管の線維化、心肥大、心室性不整脈、腎障害に関与することが知られており、セララはこれらの臓器保護効果も期待されています。viatris-e-channel+1
ミネブロ(一般名:エサキセレノン)は、非ステロイド骨格を持つ選択的MR拮抗薬で、米国Exelixis社と第一三共株式会社との共同研究により開発されました。非臨床試験において、ミネブロはスピロノラクトンやエプレレノンと比較して強いMR阻害作用と高いMR選択性を示しました。この高い選択性により、性ホルモン関連受容体(プロゲステロン受容体やアンドロゲン受容体)への影響がほとんどなく、臨床試験ではスピロノラクトンで問題となる性ホルモン関連有害事象がほぼ認められていません。yakuzaic+2
ミネブロはアルドステロンがMR受容体に結合する際に競合的に拮抗し、いわば「椅子取りゲーム」のようにMR受容体に先に結合することでアルドステロンの作用を阻害します。この結果、尿中へのナトリウムおよび水分の再吸収が抑制され、体液量減少により降圧効果が得られます。さらにミネブロは、過剰なMR活性化による心臓、血管、腎臓などの組織障害を抑制する効果も期待されています。inui-iin+2
セララとミネブロの最も大きな違いは適応症にあります。セララは「高血圧症」と「慢性心不全」の2つの適応を有しているのに対し、ミネブロは「高血圧症」のみの適応となっています。セララの慢性心不全に対する適応は、大規模臨床試験で心保護効果のエビデンスが確立されており、2016年12月に日本で承認されました。セララは63の国と地域で心不全関連の効能について認可を受けており、国際的にも心不全治療薬として位置づけられています。kusuripro+3
一方、ミネブロは2019年5月に発売された比較的新しい薬剤で、現時点では高血圧症のみの適応ですが、今後の臨床試験により適応拡大の可能性があります。高血圧治療においては、ミネブロ5mgがセララ50mgよりも強い降圧効果を示し、ミネブロ2.5mgとセララ50mgが同程度の降圧効果であることが臨床試験で確認されています。medicalcommunity+2
腎機能障害における禁忌基準は両剤で異なります。セララは高血圧症の適応において、中等度以上の腎機能障害(クレアチニンクリアランス50mL/分未満)のある患者には禁忌となっています。これに対してミネブロは、重度の腎機能障害(eGFR 30mL/min/1.73m²未満)のある患者が禁忌であり、中等度の腎機能障害患者には低用量(1.25mg)から開始することで使用可能です。yakuzaishi+3
この違いにより、ミネブロはセララが禁忌となる中等度腎機能障害患者にも使用できる選択肢となります。中等度の腎機能障害患者やアルブミン尿を伴う糖尿病患者に対しては、ミネブロを1.25mgから開始し、血清カリウム値等を確認しながら漸増投与することで安全に使用できることが審査報告書で示されています。ただし、両剤ともに高カリウム血症のリスクがあるため、腎機能が低下している患者では繰り返して血清カリウム濃度を測定する必要があります。pmda+4
用法用量にも明確な違いがあります。セララの高血圧症に対する用法は、通常1日1回50mgから投与開始し、効果不十分な場合は100mgまで増量可能です。慢性心不全に対しては1日1回25mgから開始し、投与開始から4週間以降を目安に1日1回50mgへ増量します。中等度の腎機能障害のある慢性心不全患者では、1日1回隔日25mgから開始し、最大用量は1日1回25mgとされています。kegg+2
一方、ミネブロの用法は、通常1日1回2.5mgを経口投与し、効果不十分な場合は5mgまで増量可能です。中等度の腎機能障害患者およびアルブミン尿又は蛋白尿を伴う糖尿病患者では、1.25mgを1日1回投与から開始し、投与開始から4週間以降を目安に2.5mgへ増量します。セララと比較してミネブロの投与量は少量であり、mg単位での換算では約20分の1程度の用量となっています。daiichisankyo+4
両剤ともに血清カリウム値が5.0mEq/Lを超えた場合には減量を考慮し、5.5mEq/L以上の場合は減量ないし中止、6.0mEq/L以上の場合には直ちに中止することが求められています。medicalcommunity+2
副作用プロファイルにも違いがあります。両剤ともにMR拮抗作用によりカリウム排泄が抑制され、高カリウム血症のリスクがありますが、これはクラスエフェクトとして共通しています。しかし、性ホルモン関連の副作用については、非ステロイド型のミネブロの方が優位性があります。セララはステロイド骨格を有するため、他のステロイドホルモン受容体への影響がゼロではありませんが、第一世代のスピロノラクトンと比較すれば選択性が高く、副作用リスクは大幅に低減されています。pharmacista+5
併用禁忌薬についても違いがあります。セララは強力なCYP3A4阻害薬であるイトラコナゾール、リトナビル、ネルフィナビルとの併用が禁忌です。これは、セララが主としてCYP3A4で代謝されるためです。ミネブロもCYP3Aで代謝されますが、セララほど代謝への依存度が高くないため、併用禁忌の設定がより限定的です。passmed+2
両剤ともにカリウム保持性利尿薬との併用は禁忌です。また、2024年8月の改訂により、ヨウ化カリウム製剤については、放射性ヨウ素による甲状腺の内部被曝の予防・低減目的で使用する場合は併用注意とされ、一律の併用禁忌から変更されました。mhlw+3
MR受容体選択性は、副作用プロファイルを決定する重要な因子です。第一世代のスピロノラクトンはMR受容体への選択性が低く、プロゲステロン受容体やアンドロゲン受容体などの性ホルモン受容体にも作用するため、女性化乳房、陰萎、月経不順などの副作用が頻発していました。第二世代のセララはMR受容体選択性を高めることでこれらの副作用を軽減しましたが、ステロイド骨格を有することには変わりありません。yakuzaic+2
ミネブロは非ステロイド骨格のMR拮抗薬として開発され、非臨床試験ではスピロノラクトンやエプレレノンに比べて強いMR阻害作用と最も高いMR選択性を示しました。この高い選択性により、臨床試験でスピロノラクトンで報告されているような性ホルモン関連有害事象に関する懸念はほとんど認められませんでした。審査報告書においても、ミネブロは安全性に大きな問題が認められていないと評価されています。wellbeingnaika+2
MR受容体への高い選択性は、治療効果の向上と副作用の軽減という両面で有利に働きます。特に長期投与が必要な高血圧治療において、性ホルモン関連の副作用リスクが低いことはアドヒアランス向上につながります。jstage.jst+1
臨床現場での使い分けは、適応症、腎機能、患者背景により決定されます。慢性心不全患者にはセララが第一選択となります。なぜなら、セララは大規模臨床試験で心不全に対する臓器保護効果が実証されており、適応が承認されているからです。各種ガイドラインにおいてもスピロノラクトンとともにセララは推奨グレードAとされ、重症心不全に対する臨床効果に優れることが示されています。nikkei+3
高血圧治療においては、中等度の腎機能障害患者やアルブミン尿を伴う糖尿病患者ではミネブロが有用です。セララはこれらの患者群で禁忌または慎重投与となりますが、ミネブロは低用量から開始することで使用可能です。また、性ホルモン関連の副作用を避けたい患者、特に若年男性や女性では、非ステロイド型のミネブロが優先される場合があります。kusuripro+3
興味深い点として、ミネブロの半減期はセララよりも長く、より安定した血中濃度が得られる可能性があります。セララの半減期は約4時間と比較的短く、米国では高血圧治療薬として1日2回処方で承認されていますが、日本では1日1回処方となっています。ミネブロはより長い作用時間により、服薬アドヒアランスの向上が期待されています。jstage.jst
経済性の観点では、スピロノラクトンが最も安価であり、次いでセララ、ミネブロの順となります。しかし、副作用プロファイルや使用可能な患者層を考慮すると、単純な薬価比較だけでは判断できません。sakuragaoka.jcho
ミネブロとセララの詳細な比較と作用機序について(パスメド薬剤師国試対策)
MR拮抗薬の特徴とセララとの比較解説(薬剤師のための情報サイト)
アルドステロン拮抗薬のCKD患者における蛋白尿抑制効果の研究(東京大学プレスリリース)
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