睡眠中、私たちの脳と身体はノンレム睡眠とレム睡眠を規則的に繰り返しています。入眠直後にまずノンレム睡眠が出現し、60~70分続いた後にレム睡眠が始まります。このノンレム睡眠からレム睡眠への移行が1つのサイクルを形成し、一般的には約90分程度とされています。shinagawa-mental+2
一晩の睡眠では、このサイクルが4~6回繰り返されることが通常です。厚生労働省のe-ヘルスネットによれば、睡眠には約90分周期でレム睡眠とノンレム睡眠が変動し、朝の覚醒に向けて徐々に始動準備を整えるサイクルがあります。jssr+2
厚生労働省e-ヘルスネット「眠りのメカニズム」
睡眠サイクルの基本的なメカニズムと、レム睡眠・ノンレム睡眠の周期について詳しく解説されています。
睡眠周期の構成には特徴的なパターンがあります。睡眠前半では深いノンレム睡眠(N3ステージ)が長く現れ、脳と身体の回復が優先的に行われます。一方、睡眠後半になるほど深い睡眠は減少し、浅いノンレム睡眠(N2ステージ)とレム睡眠の割合が増加していきます。kurashitoecoto+2
睡眠サイクルが「90分周期」という通説は広く知られていますが、実際には大きな個人差が存在します。学術的な統計によれば、睡眠周期は人によって60~120分と幅広く分布しており、90分という数値はあくまでも平均値に過ぎません。nishikawa1566+1
さらに、同じ人であっても睡眠サイクルの長さは日によって変動します。健康状態や疲労度、ストレスレベルなどによって、1つの周期が60分の日もあれば120分の日もあることが確認されています。このため、「90分の倍数で睡眠時間を設定すればすっきり目覚められる」という説は、すべての人に当てはまるわけではありません。kameyakagu+3
睡眠研究の専門家は、個人の睡眠周期を正確に把握するために、ウェアラブル端末などの睡眠計測デバイスの使用を推奨しています。体に装着して寝るだけで、個々の睡眠周期パターンや睡眠の深さ、呼吸・心拍数などが計測でき、自分に最適な睡眠時間を見つける手がかりになります。nishikawa1566
ノンレム睡眠は脳波の活動性によって3つのステージ(N1、N2、N3)に分類され、睡眠の深さを反映しています。各ステージは周期的に変化し、睡眠の質を決定する重要な要素となっています。jssr+1
**ステージN1(浅い睡眠)**は入眠直後に現れる最も浅い睡眠段階で、脳波は覚醒時よりも遅くなり始めます。まどろんでいる状態であり、外部刺激によって簡単に目覚めます。このステージは通常、総睡眠時間の5~10%程度を占めます。polar+2
**ステージN2(中程度の睡眠)**はより深い睡眠段階で、心拍数と体温が低下します。このステージでは「睡眠紡錘波」と呼ばれる高周波脳波の急速な波が特徴的に現れ、学習と記憶にとって重要な役割を果たすと考えられています。pmc.ncbi.nlm.nih+1
**ステージN3(深い睡眠)**は「徐波睡眠」とも呼ばれ、脳波に大きなデルタ波が現れることが特徴です。このステージで目覚めることは非常に困難で、強制的に起こされると強い眠気やだるさ(睡眠慣性)に襲われます。N3では成長ホルモンが分泌され、組織の修復・再成長、骨と筋肉の構築、免疫システムの強化が行われます。pmc.ncbi.nlm.nih+4
レム睡眠はノンレム睡眠の後に出現し、急速眼球運動(Rapid Eye Movement)を特徴とする独特な睡眠段階です。この名称は、閉じたまぶたの下で眼球が覚醒時のように小刻みに動くことに由来しています。kango-roo+2
レム睡眠中の脳波は、覚醒時に近いパターンを示し、脳が活発に活動している状態です。具体的には、シータ波(4~7 Hz)と呼ばれる脳波が特徴的に観察されます。このため、レム睡眠は「逆説睡眠」とも呼ばれ、脳は活動的であるにもかかわらず、身体の筋肉は完全に弛緩している矛盾した状態が生じています。europepmc+4
Brain neural patterns and the memory function of sleep
レム睡眠とノンレム睡眠における特徴的な脳波パターンと、記憶機能との関連について詳述した研究論文です。
レム睡眠は睡眠周期の中で特定のパターンで出現します。一晩の睡眠の約25%をレム睡眠が占め、睡眠の後半になるほどレム睡眠の出現時間が長くなる傾向があります。最初のレム睡眠エピソードは入眠後60~90分程度で出現し、その後約90~120分周期で繰り返し現れます。tatikawa-treatment+3
レム睡眠中には、多くの夢が見られることも特徴的です。脳の感情と記憶を司る部位が再起動し、ストレスに関連する脳内化学物質のレベルが低下することで、情動の処理や心理的な安定に寄与すると考えられています。wellnesslab-report+1
睡眠周期は年齢とともに大きく変化し、医療従事者が患者の睡眠評価を行う際に重要な考慮事項となります。加齢に伴う体内時計の変化により、睡眠に関わる体温やホルモン分泌などの生体機能リズムが早い時間帯にシフトし、高齢者は若年者に比べて早寝早起きの傾向を示します。tyojyu
特に注目すべき変化は、深いノンレム睡眠(N3ステージ)の時間が減少し、浅いレム睡眠の時間が増加することです。また、睡眠中の途中覚醒も多くなり、全体的に浅い眠りとなります。総務省統計局の2016年の調査によれば、50歳以上では高齢になるほど生活行動別の睡眠総平均時間が増加する傾向にあります。sleepspot.resmed+1
睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌も加齢とともに変化し、体内時計の調整機能が低下します。夜間にメラトニンの分泌が増加して「休む時間だ」という信号を送る機能が弱まるため、夜間の入眠困難や睡眠の質の低下が生じやすくなります。ogikubo-kirindou+1
医療従事者としては、患者の年齢に応じた睡眠パターンの正常範囲を理解し、病的な睡眠障害と加齢による生理的変化を適切に鑑別することが重要です。例えば、高齢患者が「以前より眠りが浅くなった」と訴える場合、これが正常な加齢変化なのか、閉塞性睡眠時無呼吸症などの病的状態を示しているのかを評価する必要があります。wellness
睡眠周期の理解は、患者の生活指導や薬物療法のタイミング設定にも応用できます。成長ホルモンは主に深いノンレム睡眠中に分泌されるため、この生理的リズムを考慮した治療計画の立案が、より効果的な医療介入につながります。gonda-seikotsu+1
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