ロサルタンカリウムを含むアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)は、本剤の成分に対して過敏症の既往歴がある患者には投与が禁忌です。過敏症反応としては、アナフィラキシー、蕁麻疹、呼吸困難、血管浮腫などが報告されており、これらの症状が過去に発現した患者では再投与により重篤な反応が生じる可能性があります。pins.japic+2
アナフィラキシーは不快感、口内異常感、発汗、蕁麻疹、呼吸困難、全身潮紅、浮腫などの症状として現れます。血管浮腫については、顔面腫脹、口唇腫脹、咽頭腫脹、舌腫脹などの腫脹が特徴的です。これらの過敏症状が認められた場合には、直ちに投与を中止し適切な処置を行う必要があります。carenet+3
ロサルタンは妊婦または妊娠している可能性のある女性に対して絶対禁忌とされています。この禁忌の理由は、アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬及びアンジオテンシン変換酵素阻害薬が胎児・新生児に重篤な影響を与えるためです。med.daiichisankyo-ep+2
妊娠中期から末期にロサルタンを投与された患者では、胎児・新生児死亡、羊水過少症、胎児・新生児の低血圧、腎不全、高カリウム血症、頭蓋の形成不全、羊水過少症によると推測される四肢の拘縮、脳・頭蓋顔面の奇形、肺の発育形成不全などが報告されています。さらに、海外の疫学調査では妊娠初期の投与でも催奇形性のリスクが示唆されています。takanohara-ch+2
投与中に妊娠が判明した場合には、直ちに投与を中止する必要があります。妊娠する可能性のある女性に投与する場合には、胎児に与える影響を十分に説明し、妊娠が判明した場合は速やかに医師に相談するよう繰り返し患者へ説明することが重要です。zensei-med+1
妊娠中の薬物使用に関する総説(英語)
妊娠中の薬物療法の特殊性と安全性に関する包括的な情報が記載されています。
重篤な肝障害のある患者に対してもロサルタンの投与は禁忌です。この禁忌の根拠となるのは、外国で実施された薬物動態試験の結果です。carenet+3
軽度から中等度のアルコール性肝硬変患者にロサルタンカリウム50mgを単回経口投与した海外の研究では、健康成人と比較してロサルタンの消失速度が遅延し、ロサルタン及びその活性代謝物であるカルボン酸体の血漿中濃度がそれぞれ約5倍及び約2倍に上昇することが報告されています。このような血中濃度の著しい上昇は、過度の降圧作用や重篤な副作用のリスクを高めます。med.skk-net+1
重篤な肝障害を除く肝機能障害またはその既往のある患者については、慎重投与の対象となります。これらの患者では、定期的な肝機能検査を実施し、異常が認められた場合には投与中止などの適切な処置が必要です。med.daiichisankyo-ep+1
ロサルタンは、アリスキレン(商品名:ラジレス)を投与中の糖尿病患者に対して併用禁忌とされています。ただし、他の降圧治療を行ってもなお血圧のコントロールが著しく不良の患者は除外されます。pmda+2
併用禁忌の理由は、レニン・アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性があり、腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがあるためです。特に、eGFRが60mL/min/1.73㎡未満の腎機能障害のある患者へのアリスキレンとの併用については、治療上やむを得ないと判断される場合を除き避けることが推奨されています。kegg+2
併用する場合には、患者の状態を観察しながら慎重に投与し、腎機能、血清カリウム値及び血圧を十分に観察することが必要です。また、本剤とアンジオテンシン変換酵素阻害剤及びカリウム保持性利尿剤の3剤併用の場合には特に注意が必要です。med.daiichisankyo-ep+1
一部のロサルタン配合剤では、無尿の患者又は透析患者に対して投与禁忌とされています。これは主にヒドロクロロチアジドを配合した製剤に関する禁忌事項です。med.skk-net
透析患者では体液量の管理が極めて重要であり、利尿剤成分を含む配合剤の使用は電解質異常や脱水を悪化させるリスクがあります。また、透析患者では薬物の排泄が著しく低下しているため、薬物の蓄積による副作用のリスクも高まります。meds.qlifepro+1
ロサルタン単剤の場合でも、透析患者への投与には特別な注意が必要です。急性腎障害の患者には投与禁忌とされており、腎機能を更に悪化させるおそれがあります。血清クレアチニン値が2.0mg/dL超の腎機能障害患者については、治療上やむを得ないと判断される場合を除き使用を避けることが推奨されています。meds.qlifepro+1
ロサルタンとカリウム保持性利尿剤(スピロノラクトン、エプレレノンなど)の併用は注意が必要です。併用により血清カリウム上昇、高カリウム血症を起こすおそれがあります。kobe-kishida-clinic+2
カリウム貯留作用が増強するメカニズムとして、ロサルタンがアンジオテンシンⅡの作用を抑制することでアルドステロン分泌が減少し、腎臓でのカリウム排泄が低下することが挙げられます。カリウム保持性利尿剤も同様にカリウム排泄を抑制するため、両者の併用で高カリウム血症のリスクが顕著に増加します。pins.japic+3
腎機能障害のある患者には特に注意が必要で、定期的な血清カリウム値のモニタリングが不可欠です。高カリウム血症は致死的な不整脈を引き起こす可能性があり、適切な管理が求められます。また、本剤とアンジオテンシン変換酵素阻害剤及びカリウム保持性利尿剤の3剤併用の場合には特に注意が必要です。kegg+5
ロサルタンと非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の併用には注意が必要です。併用により降圧作用が減弱されるおそれがあり、さらに腎機能悪化している患者では腎機能がさらに悪化するおそれがあります。interq+2
NSAIDsはプロスタグランジンの合成を阻害することで、ロサルタンの降圧作用を減弱させる可能性があります。プロスタグランジンの合成阻害作用により腎血流量が低下するため、腎機能への悪影響が生じると考えられています。carenet+1
もともと腎臓の悪い患者では、NSAIDsとの併用により病状を悪化させるリスクが特に高くなります。ARB使用中の患者でNSAIDsを併用する際には、定期的な腎機能モニタリングと適切な水分摂取の指導が重要です。kobe-kishida-clinic+1
ロサルタンと炭酸リチウムの併用により、リチウム中毒が報告されています。血中リチウム濃度に注意する必要があり、定期的なモニタリングが推奨されます。pmda+2
リチウム中毒が生じるメカニズムは、ロサルタンのナトリウム排泄作用によりリチウムの蓄積が起こると考えられています。ナトリウムとリチウムは腎臓での再吸収機構が類似しているため、ナトリウム排泄が促進されるとリチウムの再吸収が増加し、血中濃度が上昇します。mhlw+3
リチウム中毒の症状には、振戦、消化器愁訴、意識障害などがあります。ARB、ACE阻害薬などの降圧薬や利尿剤の内服はリチウム濃度を上昇させ中毒を引き起こしやすくするので注意が必要です。併用する場合には、血清リチウム濃度を頻繁にモニタリングし、必要に応じてリチウムの用量調整を行うことが重要です。med.skk-net+2
リチウム中毒に関するPMDAの患者向け情報
リチウム中毒の症状や注意点について詳しく解説されています。
ロサルタンの投与中はグレープフルーツジュースの摂取を避けることが推奨されています。グレープフルーツジュースとの併用により降圧作用が減弱されるおそれがあります。med.skk-net+3
この相互作用のメカニズムは、グレープフルーツジュースに含まれる成分のCYP3A4阻害作用によりロサルタンの活性代謝物の血中濃度が低下するためです。ロサルタンは薬物代謝酵素チトクロームP450 2C9(CYP2C9)及び3A4(CYP3A4)により活性代謝物であるカルボン酸体に代謝されます。med.daiichisankyo-ep+2
グレープフルーツジュースは小腸のCYP3A4を不可逆的に阻害するため、代謝が正常化するまでには数日を要します。したがって、単に服用時間をずらすだけでは相互作用を回避できず、ロサルタン治療中はグレープフルーツジュースの摂取自体を避ける必要があります。neuro-machida+2
両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者においては、ロサルタンの投与に特別な注意が必要です。これらの患者では、腎血流量の減少や糸球体濾過圧の低下により急速に腎機能が悪化するおそれがあります。keiomedsoc+1
腎動脈狭窄患者では、腎灌流圧の維持にアンジオテンシンⅡが重要な役割を果たしています。ロサルタンによるアンジオテンシンⅡ受容体の遮断は、輸出細動脈の拡張を引き起こし、糸球体濾過圧を低下させます。特に両側性の腎動脈狭窄や片腎患者では代償機構が働かないため、急性腎不全に至るリスクが高まります。med.daiichisankyo-ep
これらの患者にロサルタンを投与する場合には、投与開始前と投与中に定期的な腎機能検査(血清クレアチニン、BUN、電解質など)を実施し、腎機能の変化を注意深く監視することが不可欠です。腎機能の悪化が認められた場合には、直ちに投与を中止し適切な処置を行う必要があります。med.daiichisankyo-ep
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