呼吸不全の症状と診断治療

呼吸不全とは血液中の酸素が不足する病態で、息切れや呼吸困難などの症状が現れます。Ⅰ型とⅡ型の違いや原因疾患、適切な治療法について医療従事者として知っておくべき知識とは何でしょうか。

呼吸不全の症状

呼吸不全の主な症状
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呼吸困難と息切れ

労作時や安静時に息苦しさを自覚し、呼吸回数が増加する状態

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チアノーゼ

低酸素血症により皮膚や粘膜が青紫色に変色する症状

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意識障害と頭痛

高二酸化炭素血症により頭痛や意識レベルの低下が出現

呼吸不全における呼吸困難の特徴

 

 

呼吸不全では、肺の機能が低下することと関連して息苦しさを自覚するようになります。特に運動をしているときには身体の酸素需要量が増えるため、運動時に息苦しくなりやすく、労作時呼吸困難として現れます。呼吸困難は「息が苦しい」という主観的症状であり、「呼吸時の不快な感覚」を指す自覚症状です。medicalnote+2
息苦しさを代償するために呼吸回数が増え、頻呼吸(成人の呼吸回数が1分間に30回以上)が出現します。喘鳴(ぜんめい:呼吸のさいにゼーゼーと音がなる)が出たり肋骨の間がへこむような呼吸の仕方(吸気性三凹徴)になったりすることもあります。また、日常的に呼吸をすることにエネルギーを使用することから、体重減少につながることもあります。cloud-dr+4
急性発症の呼吸困難は突然におこった呼吸困難を指し、慢性発症は知らない間にゆっくりとおこった呼吸困難を指します。また、体を休めているとき(安静時)に呼吸困難があるのか、あるいは体を動かしたり運動したときだけに呼吸困難があるのかについても、病態の評価において重要な情報となります。ncgg

呼吸不全におけるチアノーゼと頻呼吸の発現機序

呼吸不全では、動脈血酸素分圧(PaO2)が60Torr以下(酸素飽和度SpO2が90%以下に相当)に低下すると定義されます。PaO2が50Torr以下になるとチアノーゼが現れます。チアノーゼは血液中の酸素が全身で低下している状態を反映する中心性チアノーゼとして、口蓋や舌、唇の内側などに見られます。kango-roo+2
チアノーゼは、血液中の脱酸素ヘモグロビン(酸素と結合していないヘモグロビン)が5g/dL以上に増加することで出現します。呼吸器疾患に起因するチアノーゼは、頻呼吸、呼吸困難、喘鳴、咳嗽、喀痰などの呼吸器症状を伴っていることが多いのが特徴です。knowledge.nurse-senka
頻呼吸は呼吸回数の増加を示す所見であり、急性呼吸不全の重要な兆候の一つです。通常、成人の呼吸回数は1分間に12〜20回程度ですが、急性呼吸不全では30回以上に増加することがあります。頻呼吸は低酸素血症や高二酸化炭素血症に対する生体の代償機構であり、呼吸不全の進行を示唆する所見にもなります。kobe-kishida-clinic

呼吸不全に伴う意識障害と二酸化炭素蓄積症状

二酸化炭素が体内に蓄積すると頭痛や意識レベルの悪化などがみられることもあります。二酸化炭素分圧(PaCO2)が上昇するとCO2ナルコーシス(二酸化炭素による意識障害)を引き起こすリスクがあります。慢性呼吸不全に対して在宅酸素療法を行っている方の場合、酸素調節の仕方がうまくいかずに呼吸がきちんとできず、意識を失ってしまうこともあります。kango-roo+1
高二酸化炭素血症が持続すると、頭痛や倦怠感、不眠などの症状が加わり、息切れだけでも苦しんでいる患者さんをさらに苦しめることになります。これらの症状はⅡ型呼吸不全(PaCO2が45Torr以上)に特徴的です。一般的な症候には呼吸困難、呼吸補助筋の使用、頻呼吸、頻脈、発汗、チアノーゼ、意識変容などがあり、無治療の場合最終的には意識障害、呼吸停止、および死に至ります。msdmanuals+3

呼吸不全の重症度と症状の進行パターン

呼吸不全の症状は重症度に応じて多彩な症状を呈します。軽症では労作時のみ呼吸困難を認めますが、中等症になると安静時にも呼吸困難を認めるようになります。重症化すると会話や食事の際にも呼吸困難が増悪し、日常生活に支障をきたすことがあります。kobe-kishida-clinic
慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの慢性呼吸不全では、初期症状として労作時の息切れ(階段や坂道で息が切れる)、軽い咳や痰、疲れやすさや倦怠感が見られます。進行期になると安静時にも息苦しさを感じ、呼吸数の増加(頻呼吸)、胸部膨満感(肺が膨らみすぎて圧迫される感覚)、咳の慢性化が出現します。cloud-dr
重症期には体重減少(呼吸筋の消耗と代謝の亢進による)、ばち指(指先が膨らむ)、浮腫(右心不全を合併することも)、チアノーゼ(皮膚や口唇の青紫色)が見られます。急性増悪時には咳や痰が急激に増え、色が変化(黄色や緑色)し、発熱、呼吸困難の悪化、酸素飽和度(SpO2)の低下が認められます。knowledge.nurse-senka+1

呼吸不全症状の医療従事者による評価ポイント

医療従事者として呼吸不全の症状を評価する際には、いくつかの重要なポイントがあります。まず、呼吸困難が「突然におこったか」あるいは「知らない間にゆっくりとおこったか」を確認することが重要です。前者を急性発症、後者を慢性発症と呼び、それぞれ原因疾患や対応が異なります。ncgg
また、体を休めているとき(安静時)に呼吸困難があるのか、あるいは体を動かしたり運動したときだけに呼吸困難があるのかについても確認します。前者は安静時呼吸困難、後者を労作時呼吸困難と呼んでいます。ncgg
チアノーゼの評価では、見た目が重要で、元気があるのかないのか、アイコンタクトがとれるか、問いかけに反応するか、きちんと呼吸ができているかを観察します。チアノーゼは身体が酸素不足に陥っているサインであり、急激に起こった激しい症状の場合は、生命危機につながる危険が高いといえます。kcmc.kanagawa-pho+1
呼吸不全では、肺音の減弱(聴診で呼吸音が小さい)、胸郭の拡張(バレルチェスト:たる型胸)、呼気延長(息を吐くのに時間がかかる)、口すぼめ呼吸(呼気時に唇をすぼめて息を吐く)などの所見も確認することができます。cloud-dr
呼吸不全の症状に関する医療情報(メディカルノート)
このリンクでは、呼吸不全の症状について患者向けに詳しく解説されており、医療従事者が患者説明に活用できる情報が含まれています。

 

呼吸不全の分類と症状の違い(Ⅰ型・Ⅱ型)

呼吸不全は血液中の二酸化炭素分圧によって「Ⅰ型」と「Ⅱ型」の2つに分類され、この分類は原因となっている病態や治療方針を考える上で非常に重要です。Ⅰ型呼吸不全はPaCO2が45Torr以下のもので、酸素が足りていない状態でCO2が体外にちゃんと吐き出されている状態を指します。一方、Ⅱ型呼吸不全はPaCO2が45Torr以上のもので、酸素が足りておらずCO2も体外に吐き出されず体内に蓄積されている状態といえます。chikusa-zaitaku+1
Ⅰ型呼吸不全の原因となる疾患には、重症肺炎、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、急性経過の間質性肺炎、急性心不全、肺血栓塞栓症などがあります。Ⅰ型呼吸不全では低酸素血症を呈しますが、換気は保たれているため二酸化炭素の蓄積は見られません。症状としては主に呼吸困難、頻呼吸、チアノーゼが中心となります。kobe-kishida-clinic+2
Ⅱ型呼吸不全は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)や、肺結核後遺症をはじめとする慢性呼吸不全の急性増悪、気管支喘息の重症発作などの疾患が原因の多くを占めますが、重症筋無力症、Guillain-Barré症候群などの神経筋疾患の場合もあります。Ⅱ型呼吸不全では酸素化を改善するだけではなく、換気補助をするなどPaCO2をコントロールすることが求められます。atomed
Ⅰ型・Ⅱ型呼吸不全に共通して、酸素が取り込めず低酸素血症になるため、呼吸困難や頻呼吸、チアノーゼが起こります。さらに低酸素状態が持続すると、多臓器不全に至る可能性があるため、早期の診断と治療介入が重要です。また、Ⅰ型呼吸不全は重症化、長期化すればⅡ型呼吸不全を呈することもあります。jspm+1

呼吸不全における急性と慢性の症状の違い

呼吸不全は発症してから呼吸不全の続く期間が1か月未満の場合を急性呼吸不全、1か月以上続く場合を慢性呼吸不全と分類されます。急性呼吸不全と慢性呼吸不全では、症状の出現様式や患者の代償機能に大きな違いがあります。jstage.jst+1
急性呼吸不全では、比較的短い期間で急速に呼吸不全が起こるため、身体の代償機能が追いつかず、重篤な症状が出現しやすくなります。急性呼吸不全の主な症状は、呼吸困難、頻呼吸、チアノーゼなどであり、重症度に応じて多彩な症状を呈します。呼吸困難は急性呼吸不全の代表的な症状であり、安静時でも呼吸苦を伴うことが特徴です。jstage.jst+1
慢性呼吸不全では、室内気で動脈血酸素分圧(PaO2)が60Torr(SPO2 90%相当)以下の状態が1か月以上続く場合を指します。慢性呼吸不全では、臨床症状に乏しく、労作時の呼吸困難、チアノーゼ、ばち状指などがみられることが特徴です。緩やかに進行するため、初期症状が加齢や体力低下と誤解されやすく、気づいたときには中等度以上に進行していることもあります。knowledge.nurse-senka+2
慢性呼吸不全の急性増悪は、安定していた慢性呼吸不全の患者が感染症や心不全などの合併を機転に急激に呼吸状態が悪化することを指します。慢性閉塞性肺疾患(COPD)や間質性肺炎が感染症や心不全などの合併を機転に急性増悪することもあり、これらは動脈血酸素分圧の急激な低下を招きます。jaca2021

呼吸不全の診断方法

呼吸不全の診断において最も一般的な検査方法は動脈血ガス測定です。動脈血ガス測定では血液中の酸素や二酸化炭素の量を測定し、呼吸機能を確認します。血液中の酸素分圧(PaO2)と二酸化炭素分圧(PaCO2)を測定し、この結果から呼吸機能の状態を把握します。kokyukinaika-tokyo
急性呼吸不全では、PaO2が60mmHg未満、または動脈血酸素飽和度(SaO2)が90%未満になります。呼吸不全は室内気吸入時の動脈血酸素分圧(PaO2)が60Torr以下となる呼吸障害、またはそれに相当する呼吸障害を呈すると定義されます。kango-roo+1
胸部X線検査は肺の状態を視覚的に確認するために行われます。肺炎や気胸などの異常を特定する助けになり、また、心不全による肺うっ血の有無も確認できます。呼吸不全の原因を調べるために、胸部レントゲン検査やCT検査、肺機能検査なども行われます。さらに、原因によっては血液検査や喀痰検査、運動負荷試験、心エコー検査なども実施されます。og-clinic+1
パルスオキシメーターによる酸素飽和度(SpO2)のモニタリングは非侵襲的で簡便な評価方法です。SpO2が90%以下の場合は呼吸不全の可能性を示唆しますが、確定診断には動脈血ガス分析が必要です。kango-roo

呼吸不全の治療方法(酸素療法とNPPV)

Ⅰ型呼吸不全の治療の基本は低酸素血症を改善するための「酸素療法」と、原因となっている病気そのものに対する治療です。Ⅰ型呼吸不全では酸素が不足している状態なので、基本的には酸素を補うことが治療法になります。在宅療養では、在宅酸素療法(HOT)を導入します。chikusa-zaitaku+1
酸素療法の中心となるのが鼻に装着したカニューラなどを通して濃度の高い酸素を吸入することで、不足している体内の酸素を直接補います。これにより息切れなどの自覚症状が軽くなり、心臓への負担も軽減します。病状が安定し、医師が必要と判断した場合には、自宅で酸素療法を行う「在宅酸素療法(HOT)」を導入します。kobe-kishida-clinic
Ⅱ型呼吸不全では、低酸素血症に加えて高二酸化炭素血症が問題となっている場合は、酸素を吸入するだけでは状態が改善しないため、人工呼吸器などを用いて呼吸を補助する必要があります。非侵襲的陽圧換気療法(NPPV)は、専用のマスクを装着して鼻や口から換気する治療法で、在宅でも行われるようになっています。atomed
NPPVはマスクをして空気が漏れない状態にして一定の圧をかけて空気を送りこむ治療法で、人工呼吸療法の一つですが保険診療のもとで自宅でもできるようになりました(在宅人工呼吸療法)。慢性呼吸不全患者のうち、低酸素血症に加え、慢性的にCO2(炭酸ガス)の蓄積を伴うⅡ型呼吸不全の方に、継続的な換気補助(人工呼吸療法)が必要となる場合があります。rcc-icr+1
慢性呼吸不全の急性増悪への対応の第一選択は換気補助療法(人工呼吸器やNPPV)で、SpO2は88~92%をターゲットに酸素投与を行います。急性呼吸不全の治療は大きく分けると、酸素吸入や人工呼吸など呼吸を補助する治療と、呼吸不全を起こした元の病気に対する治療とに分けられます。jrs+1
急性呼吸不全の治療に関する専門情報(日本呼吸器学会)
このリンクでは、日本呼吸器学会が提供する急性呼吸不全の治療に関する信頼性の高い情報が掲載されており、医療従事者の知識更新に有用です。

 

呼吸不全の原因疾患(COPD・ARDS・間質性肺炎)

慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、慢性気管支炎や肺気腫などが原因で息を吐く力が落ちる(閉塞性障害)病気の総称です。一番の原因はタバコで、歩行時や階段昇降など、身体を動かした時に息切れを感じる労作時呼吸困難や、慢性の咳や痰が特徴的な症状です。進行すると呼吸困難を起こし、日常生活に支障をきたします。長年の喫煙により気管や肺が傷つき、呼吸機能が低下した状態で、酸素をうまく取り込めなくなります。saiseikai+1
急性呼吸促迫症候群(ARDS)は、様々な原因によって生じる症候群で、1週間以内の経過で急に発症し、低酸素血症が明らかで、胸部エックス線やCTスキャンで両肺に異常な影がある状態を指します。誘因となる基礎疾患は、肺に直接ダメージを与えるものと、そうでないものとに分けられます。前者で頻度の高いものには肺炎や胃内容物の誤嚥があり、後者の代表的なものは敗血症です。jaca2021
間質性肺炎は肺胞の周りにある間質に炎症が起こって肺全体が硬くなり、酸素を取り込みにくくなる疾患です。身体を動かすと息切れをし、長引くせき(痰はない)が特徴的な症状です。慢性呼吸不全を呈する基礎疾患としてCOPD、肺結核後遺症、間質性肺炎、気管支拡張症、塵肺、肺循環障害などがあげられます。nutri+1
肺血栓塞栓症は肺の動脈に血栓が詰まる疾患で、血栓の多くは足の血管でできたものです。息苦しさや鋭い胸痛(息を吸うとき)が特徴的な症状です。自然気胸は肺を包んでいる膜が破けることにより、肺がしぼんでしまう状態で、呼吸困難(突然)、胸痛、せきなどの症状が見られ、やせ型で背の高い青年男性と喫煙歴のある高齢男性に多いとされています。saiseikai
急性呼吸不全の原因疾患には様々なものがあり、肺炎や後述するARDS、急性肺血栓塞栓症、自然気胸などが代表的です。また慢性閉塞性肺疾患(COPD)や間質性肺炎が急性増悪することもあります。jrs

呼吸不全患者の呼吸リハビリテーションと日常管理

慢性呼吸不全に対しては、原因となる疾患の治療とともに「在宅酸素療法」、「換気補助療法」、「呼吸リハビリテーション」が行われます。呼吸リハビリテーションは日常生活の指導をはじめ、運動療法や栄養指導、肺理学療法など、呼吸状態の維持・改善を目的とした包括的な治療アプローチです。atomed
非薬物療法では呼吸リハビリテーション(口すぼめ呼吸や腹式呼吸などの呼吸訓練・運動療法・栄養療法など)が中心となります。口すぼめ呼吸は呼気時に唇をすぼめて息を吐く方法で、呼気延長(息を吐くのに時間がかかる)を緩和する効果があります。tamura-kokyu+1
在宅酸素療法では患者さんのニーズに合った酸素供給方法(ボンベや酸素濃縮装置)、酸素投与量、装着デバイス(鼻カニュラ・リザーバ付鼻カニュラ・酸素マスクなど)を検討することが重要です。慢性呼吸不全の患者さんの不安を理解し、患者さん自身が積極的に治療へ参加できる環境を作ることが大切です。atomed
薬物療法の中心は気管支拡張作用のある吸入剤で、長時間気管支を拡張する吸入抗コリン薬や吸入β2刺激薬が推奨されています。気管支喘息の合併が疑われる場合などは吸入ステロイド薬を追加することもあります。治療の基本は禁煙であり、呼吸機能の低下を防ぐために最も重要な介入となります。tamura-kokyu
慢性呼吸不全の在宅療養管理に関する実践的情報
このリンクでは、慢性呼吸不全患者の在宅療養における酸素療法やNPPVの実践的な管理方法について、医療従事者向けに詳しく解説されています。

 

呼吸不全における医療従事者の役割と患者教育

医療従事者として呼吸不全患者に対応する際には、症状の早期発見と適切な評価が重要です。呼吸困難、チアノーゼ、頻呼吸などの症状が出現した場合、迅速に動脈血ガス分析を実施し、呼吸不全の有無と病型(Ⅰ型・Ⅱ型)を判定する必要があります。kokyukinaika-tokyo+1
急性呼吸不全の場合は、生命を脅かす状態であることを認識し、緊急対応が必要です。酸素投与を開始すると同時に、原因疾患の検索と治療を並行して行います。特にARDSのような重篤な病態では、人工呼吸管理を含む集中治療が必要となることが多く、早期に専門医へコンサルテーションすることが重要です。atomed+1
慢性呼吸不全患者に対しては、長期的な疾患管理と患者教育が中心となります。在宅酸素療法やNPPVの適応を評価し、適切なタイミングで導入することで、患者のQOL向上と予後改善を図ることができます。患者さん自身が積極的に治療へ参加できるよう、疾患や治療についての理解を深めるための教育的介入が不可欠です。kobe-kishida-clinic+2
また、慢性呼吸不全患者では急性増悪のリスクが常に存在するため、感染予防や早期受診の重要性について患者教育を行う必要があります。急性増悪時の症状(咳や痰の増加、発熱、呼吸困難の悪化など)を患者と家族が理解し、適切なタイミングで医療機関を受診できるよう指導することが重要です。jaca2021+1
呼吸リハビリテーションの導入と継続も医療従事者の重要な役割です。口すぼめ呼吸や腹式呼吸などの呼吸訓練、適度な運動療法、栄養管理を包括的に提供することで、呼吸機能の維持・改善を図ります。これらの介入は、単に呼吸機能を改善するだけでなく、患者の自己管理能力を高め、日常生活の質を向上させることにつながります。tamura-kokyu+1

 

 




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