メトグルコ(メトホルミン塩酸塩)による副作用で最も多いのは消化器症状です。承認時の臨床試験では、640例中409例(63.9%)に副作用が認められ、主な症状は下痢(40.9%)、悪心(15.2%)、食欲不振(12.3%)、腹痛(10.5%)でした。
投与量別の発現率を見ると、750mg/日群では下痢30.8%、悪心15.9%、腹痛15.0%、食欲不振11.2%でした。1,500mg/日群では下痢48.1%、悪心22.6%とより高い頻度で発現しています。
消化器症状の特徴として、初回発現の多くが投与開始14週間以内に見られ、2~3週間で体が慣れて症状が軽快することが多いとされています。しかし、症状が持続する場合は医師への相談が重要です。
患者指導では、食後服用による症状軽減効果や、少量から開始して漸増する重要性を説明することが効果的です📊。
メトグルコによる最も重篤な副作用は乳酸アシドーシスです。この副作用は稀ですが(頻度不明)、致命的になる可能性があるため十分な注意が必要です。
乳酸アシドーシスの初期症状として以下が挙げられます。
高リスク患者として、腎機能障害、肝機能障害、心不全、重度感染症、脱水状態、アルコール多飲者が挙げられます。これらの患者では服用禁忌または慎重投与となります。
特に注意すべきシチュエーションとして、シックデイ(発熱、下痢、嘔吐、食事摂取不良)時や手術前後、造影剤使用時には服用中止が必要です。
医療従事者は患者の腎機能、肝機能を定期的にモニタリングし、リスク評価を継続することが重要です🔍。
メトグルコ単独投与では低血糖は起こりにくいとされていますが、他の糖尿病薬との併用時には注意が必要です。国内臨床試験でメトグルコ単独療法では「低血糖症」は認められていません。
しかし、SU剤(スルホニルウレア系薬剤)との併用では16.1%(52/322例)に低血糖症状の発現が認められました。これは、SU剤のインスリン分泌促進作用とメトグルコの糖産生抑制作用が相乗的に働くためです。
低血糖症状の認識と対処法について患者教育が重要です。
食事や水分補給が不十分な状態では低血糖リスクが高まるため、シックデイルールの徹底が必要です。
併用薬剤の見直しや用量調整により、低血糖リスクを最小化する治療戦略が求められます💊。
メトグルコによる重大な副作用として、肝機能障害と横紋筋融解症があります(いずれも頻度不明)。これらは稀な副作用ですが、早期発見と適切な対応が重要です。
肝機能障害の症状と検査値異常。
横紋筋融解症の症状と検査値異常。
モニタリング体制の構築において、定期的な肝機能検査(AST、ALT、ビリルビン)とCK値の測定が推奨されます。特に投与開始初期や用量変更時には頻回なチェックが必要です。
患者には筋肉痛や倦怠感などの自覚症状について説明し、症状出現時の速やかな受診を指導することが重要です⚠️。
異常値が認められた場合は、メトグルコの中止と専門医への紹介を検討する必要があります。
メトグルコの長期投与により、従来あまり注目されていない副作用が報告されています。特にビタミンB12欠乏症は、長期服用患者において重要な合併症となります。
ビタミンB12欠乏症の機序と症状。
また、味覚異常(金属様味覚)も報告されており、患者のQOL低下につながる可能性があります。この症状は用量依存性があり、減量により改善することが多いとされています。
特定使用成績調査では、1,219例中66例(5.4%)に副作用が認められ、主な副作用は下痢(1.3%)でした。長期投与では急性期の消化器症状は軽減する傾向にありますが、新たな副作用の出現に注意が必要です。
高齢者では腎機能低下により薬物蓄積のリスクが高まるため、定期的な腎機能評価と用量調整が重要です👴。
長期投与患者では年1回のビタミンB12測定と、必要に応じた補充療法の検討が推奨されます💉。